在宅勤務、「ストレスを軽減した」4割。一方、20代女性では「在宅勤務がストレスの原因」5割超

2021年08月17日 07:02

画・AIによる人事、ピープルアナリティクスとは。定量データ活用でミスマッチ人事を回避。

チューリッヒ生命が「2021年ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査」。ストレス要因の第1位は「給与・賞与(金銭面)」

 コロナ以前より働き方改革が推し進められ、日本の勤労者の働き方はワークライフバランスや多様性などに配慮したものへと変わるように求められてきた。企業の努力により、そうした働き方を実現しうる制度が様々設けられてきたものの、実際にそれらを活用する者は少なく、日本人の働き方は旧態依然としたものであった。

 新型コロナウイルス感染症の流行はこの状況を大きく変化させ、テレワークによる在宅勤務や時差出勤など十分活用されていなかった制度が感染症対策として否応なく推し進められる恰好となった。就労環境の急速な変化で新たなストレスを感じている者も少なくない一方で、職場勤務から解放されストレスが軽減された者も多いであろう。

 チューリッヒ生命が5月下旬、全国の20歳~59歳の有職者1000人を対象に5回目になる「ストレスに関する調査」を実施し、その結果レポートを8月4日に公表しているが、これによると、有職者のストレス要因の第1位は「給与・賞与」で前回の昨年調査と同じく金銭面での悩みが最も大きな悩みのようだ。理由として、「業務量に対して給与が安い」、「年功序列で給与が決まり上がらない」などコロナ禍と関係のないものが多い一方で、「休業により収入減少」、「シフト削減」などコロナ禍の影響によるものも少なくない。

 新型コロナウイルスの影響で発生した仕事上のストレスについては、在宅勤務などにより「業務上のコミュニケーションがとりづらくなった」と回答した者が20%と最も多くなっている。また、収入面ではコロナ禍で残業が減るなどして「収入が減った」をストレスとしてあげた者が21.0%となっている。

 逆にストレス緩和につながった制度について尋ねた結果では、「在宅勤務制度」が36.4%と突出して多くなっている。在宅勤務については、「ストレスを感じる」と答えた者の割合が40.6%に対し、「ストレスを感じない」と答えた者は38.8%とともに約4割ずつと拮抗しているが、男女別に見ると、女性の方が在宅勤務でストレスを感じている者が全体として多くなっている。特に20代女性では「在宅勤務でストレスを感じる」と答えた者が54.3%と半数以上にのぼる。

 レポートでは在宅勤務によって「ストレスを感じる原因として、『家族がすぐ近くにいる』、『機材が整っていない』などが考えられる」としているが、細かに見るとライフステージの違いにより年代、性別でバラツキがあるようだ。(編集担当:久保田雄城)