東芝は、沖縄県が実施する平成23年度予算事業「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業」の一環として沖縄県宮古島市が公募した「宮古島市全島エネルギーマネジメントシステム(EMS)実証事業」および「宮古島市来間島再生可能エネルギー100%自活実証事業」において、システム設計の委託事業者として採択され、宮古島市との間で委託契約を締結。契約期間は2012年3月16日までとなる。
宮古島市における全島EMS実証事業は、全島の需要家エネルギー消費を最適制御するシステムを実証。再生可能エネルギーの導入量・効果の拡大を確実なものとするため、系統電源と再生可能エネルギーの協調、需要家の電力需要に合わせた再生可能エネルギー発電の最適運用、再生可能エネルギーの発電状況に合わせた需要家の電力消費シフト等の課題への対応策を検討する。同社は、CEMS等からなる全島EMS、家庭200軒分の電力消費データを収集するスマートボックス(AMIシステム)およびビル5棟分のBEMS等を、地元メディアである宮古テレビとも連携し、システム設計を検討する。
来間島における再生可能エネルギー100%自活実証事業は、島内の電力消費量の再生可能エネルギー比率を100%とし、島内エネルギーの100%地産地消の実現性を検証するもの。同社は、来間島に適したEMSに加え蓄電池の最適容量・最適配置を検証し、システム設計を検討する。
同社は、大規模都市型のスマートコミュニティ実証事業として、「横浜スマートシティプロジェクト」、「イタリア・ジェノバ市スマートシティプロジェクト」、「フランス・リヨン市スマートコミュニティ実証事業プロジェクト」等にも参加し、地域全体のエネルギーマネジメントシステム、BEMSやHEMS、デマンドレスポンスシステム等の導入・検証に取組んでいる。また、東日本大震災における復興都市づくり構想の具体化にむけての提案も積極的に実施。これらの経験・知見を活かして、宮古島市の両実証事業のシステム設計に取組むことで、同市におけるスマートコミュニティの事業化にあたっての経済的・技術的・制度的な課題抽出に寄与し、宮古島市における日本初の島嶼(とうしょ)型スマートコミュニティの持続可能な事業モデルの形成に貢献していく。
今後も同社は、スマートコミュニティ事業を注力事業と位置づけ、2015年度に同事業で売上高9,000億円を目指す。