岸田文雄総理は22日開いたGX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議で、原発稼働で増え続ける高レベルの放射性廃棄物の最終処分問題について「高レベル放射性廃棄物(核ゴミ)の最終処分につながるよう文献調査の実施地域拡大を目指す」とし「最終処分関係閣僚会議の拡充など政府挙げてバックエンド問題に取組む」と原発稼働に絡む最重要課題の問題の取組みに政府挙げて臨むとした。現在、文献調査は北海道の寿都町と神恵内村で行われている。
岸田内閣は原発に関して「次世代改革炉」の開発や建設に積極姿勢を露わにし、廃炉を決めた原発に関して原子炉の建て替えを進める考え。加えてかねてから政府は電力会社でつくる電気事業連合会や日本経済団体連合会などから原発稼働期間の延長要請を受けていたが、経済産業省・審議会は原発の稼働期間を「原則40年、最大60年」とする現在の方針の変更は世論の反発があまりに大きいと判断し『運転停止期間は、この期間にカウントしない』とする逃げ道を作り、事実上60年を超えて稼働できるよう延長する道を開いた。
しかし、原発は運転停止期間中も『設備劣化』が止まるわけでなく、確実に劣化の道を辿っている。東電福島第一原発事故の人的被害、生態系や環境への影響、廃炉問題、被害者らへの補償問題など、今も続く多くの問題を抱えており、これらを踏まえた国会議論が強く求められている。(編集担当:森高龍二)