地方制度調査会は多様な人材が参画して住民に開かれた地方議会の実現に向けた対応方策に関する答申を30日までに岸田文雄総理に行った。
立候補しやすい環境を整えるために、各企業の自主的な取組みとして、立候補に伴う休暇制度を設けることや議員との副業・兼業を可能とすること等について要請を検討すべきとしているほか、夜間・休日などの議会開催やハラスメント相談窓口の設置、小規模自治体での議員報酬の水準にあり方などの議論が必要としている。
また、議会の役割・責任、議員の職務等の重要性が改めて認識されるよう、全ての議会に共通する一般的な事項を地方自治法に規定することも考えられるとしている。
地方議会はなり手不足が課題の一つになっている。そのため60歳以上の議員が都道府県議会では43%、市議会で56.5%、町村議会では76.9%を占めている。女性議員も少ない。都道府県議会では女性が占める割合は11.8%、町村議会も11.7%と10人に1人にとどまる。
地方制度調査会は「性別や年齢構成で多様性を欠いており、一部の議員の不適切な行為と相まって、住民の議会に対する関心を低下させ、住民から見た議会の魅力を失わせている。このことは議員のなり手不足の原因の一つにもなっている」と指摘している。(編集担当:森高龍二)