2040年ころ、現況では地方に深刻な課題が

2018年07月08日 10:01

 安倍晋三総理は5日の地方制度調査会総会で、65歳以上の人口がピークを迎える2040年頃、地方は深刻な課題を抱えることになると提起。一例をあげ、首都圏での急速な高齢化が介護サービスの需給ギャップを拡大させ、人材の首都圏流入により地方で社会経済を担うべき若者が失われることになると地方疲弊への危機感を示した。そして逆算して対応していく必要を強調した。

 安倍総理は「2040年頃に歴史上経験したことのない事態に直面する」と述べ「現状のままでは東京圏では高齢化が急速に進行する中で介護サービスの需給ギャップが拡大、ギャップを埋めようと東京圏に人材が集まれば、地方圏では社会経済を担うべき若者が失われる」と提起した。

 また「人口密度の低下により、使われなくなるインフラが増える中で高度経済成長期に整備されたインフラが老朽化し、一斉に更新時期を迎える。時の経過とともに様々な内政上の問題が顕在化してくることになる」と述べた。

 そのため「2040年頃から逆算することで見えてくる諸課題について、具体的な解決策を幅広く(地方制度調査会で)検討いただきたい。関係府省と自治体が協力し、共通のビジョンに基づいて、しっかり対策を講じていく必要がある」と調査会の議論に期待を示した。(編集担当:森高龍二)