政府は増え続ける東京電力福島第一原発事故で発生している放射性物質に汚染された水を浄化処理した「ALPS処理水(放射性物質のトリチウムを含んでいるもの)」を4月から海洋に放出する方針だが、海洋放出に対して批判や懸念の声が強いことから、河野太郎消費者・食品安全担当大臣が食品の安全性アピールをHPで展開し始めた。
河野大臣は「東電福島第一原発では、原子炉建屋等から、日々発生する放射性物質を含んだ水を、浄化処理しています。その結果、トリチウム以外の放射性物質について、規制基準を満たすまで浄化されたものをALPS処理水と言います。そのALPS処理水を、トリチウムも規制基準以下になるまで海水で大幅に希釈し、海洋放出する方針です」と説明。
そのうえで「トリチウムは雨水や海水など自然界にも広く存在し、水道水や食料を通して私たちの身体にも取り込まれています。しかし、トリチウムは水と一緒に排出され体内には蓄積いたしません。また、食物連鎖で魚など水産物の体内に濃縮されることもありません。海洋放出後も海水や水産物中のトリチウムのモニタリングを行います。水産物のモニタリングは福島県周辺海域のみならず、東日本の沿岸などでも行い、結果は分かりやすく情報提供します」と理解を呼び掛けた。
ただ、放出する処理水の中に、トリチウム以外の「セシウム134」「セシウム137」「ストロンチウム90」、「ヨウ素129」「プルトニウム」といった成分がどうなっているのか、その成分のモニタリングとモニタリング結果も分かりやすく提供していくことが必要だろう。(編集担当:森高龍二)