【積水ハウス2023年1月期決算】 第5次中計の最終年度で、過去最高の売上・利益を達成

2023年03月12日 10:14

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3月9日、積水ハウスは2023年1月期の本決算を発表した

 3月9日、積水ハウスは2023年1月期の本決算を発表した。第5次中計の最終年度の2023年1月期は前年比2ケタの増収増益で、過去最高の業績をあげ、中計の最終目標数値を達成して着地している。「国内の安定成長と海外の積極的成長」を基本方針に掲げる第6次中計の最終年度2026年1月期には、業績を売上高3兆6,760億円、営業利益3,180億円まで伸ばすと計画している。

 ■「開発型」大幅増益が全体の2ケタ増収増益に寄与

 2023年1月期の売上高は前期比13.1%増の2兆9,288億円で、2ケタ増収となった。営業利益は13.6%増の2,614億円、経常利益は11.8%増の2,572億円、当期純利益は19.9%増の1,845億円、いずれも2ケタ増益にて、2期連続で過去最高益を更新した。売上、利益各項目とも期初見通しを上回って着地。期末配当は直近配当予想52円を6円上回る前期比11円増配の58円、年間配当は前期比20円増配の110円で、11期連続増配という好決算だった。なお第6次中計の2026年1月期までは、株主還元の更なる安定性向上を図るべく一株当たり配当金の下限を年間110円とすると発表している。「コアビジネスのさらなる深化と新規事業への挑戦」を基本方針とした第5次中期経営計画は「ポスト・コロナ」で社会活動、経済活動が正常化していく状況下、目標数値を達成して終えている。

 セグメント別の売上高は、「請負型」は全体で7.9%増。高価格商品の拡販に注力した戸建住宅事業は0.1%減だったが、都市部中心のエリアマーケティングを徹底した賃貸住宅事業は11.0%増と好調で、複数の大型案件の売上計上があった建築・土木事業は14.1%増。「ストック型」は全体で5.9%増。戸建で大規模リフォームの受注割合が拡大したリフォーム事業は6.2%増、管理受託戸数が伸び、高水準の入居率、賃料を維持した不動産フィー事業は5.9%増と、ともに堅調に推移した。「開発型」は全体で20.7%増へ高い成長率となっている。マンション事業は0.3%増とほぼ横ばいだったが、前期の受注好調、順調な工事進捗が寄与した分譲住宅事業は24.4%と大幅増の好業績を牽引。物件売却が順調に進んだ都市再開発事業は31.7%と大幅増。住宅販売、コミュニティ開発、賃貸住宅開発などアメリカ事業が好調に推移した国際事業は34.0%増と大きく伸び、その他の事業は6.2%増だった。

 営業利益は、「請負型」は全体で3.3%減。賃貸住宅事業は4.2%増だったが、戸建住宅事業の9.8%減、建築・土木事業の12.8%減がブレーキだった。「ストック型」は全体では2.9%増で、0.4%増とほぼ横ばいの不動産フィー事業を7.9%増のリフォーム事業がカバーする形になった。2023年1月期で最も収益に寄与したのが受注好調の分譲住宅事業で、営業利益が42.8%増と急伸。都市開発事業の33.5%増とともに「開発型」の28.5%増に寄与した。マンション事業は7.3%増。「国際事業」は47.3%増だった。

 積水ハウスは決算発表と同時に、発行済株式総数の2.72%にあたる1,800万株、400億円を上限とする自己株式の取得を行い、4月26日に発行済株式総数の3.21%にあたる2,200万株の自己株式を消却すると発表している。

 ■第6次中計の初年度は受注高、売上高3兆円超えを計画

 2024年1月期の業績見通しでは、売上高は5.2%増の3兆800億円で初の3兆円超え。営業利益は1.3%増の2,650億円、経常利益0.7%増の2,590億円、当期純利益4.6%増の1,930億円の増収増益を見込んでいる。3期連続で過去最高益を更新する見通し。1配当予想は中間配当が前期比7円増配の59円、期末配当が前期比1円増配の59円、年間配当は前期比8円増配の118円で、12期連続の年間増配を計画している。

 国内では仲介・不動産事業や都市再開発事業の大幅増収増益を見込むものの、世界的なインフレ、原材料、資材価格の高騰、為替変動、アメリカでの住宅ローン金利上昇といった逆風により前期まで好調だった国際事業の減速を見込み、やや慎重な業績予想となっている。

 第6次中期経営計画(2023~2025年度)の基本方針は「国内の安定成長と海外の積極的成長」で、グループ全体で住まいづくりに関わる全てのプロセスを担うバリューチェーンを構築し、テクノロジーの移植による海外事業展開、社会・事業環境の変化への対応、デジタル技術の活用による新規事業の開拓・拡張などを推進していく。

 第6次中計最終年度の2026年1月期には、業績を売上高3兆6,760億円、営業利益3,180億円、経常利益3,110億円、当期純利益2,140億円まで伸ばす計画になっている。(編集担当:寺尾淳)