放送法を巡る行政文書、順次聞き取り中と総務相

2023年03月11日 10:22

 松本剛明総務大臣は10日の記者会見で、「政治的公平」を巡る放送法解釈に関して「行政文書」について「文書に名前が出てくる方々について連絡をとることが可能な方々から順次聞き取りを行っている」と語った。

 また「文書の記載内容が正確であるかどうかという点は引き続き確認を進めているが、当該文書は正確性を期するなどの平成29年の行政文書の管理に関するガイドライン改正の前に作成された文書であること、8年前の文書であることから確認が難しい面もあることはご理解頂きたいと思っている」と完全に正確性を確認するに至らない余地を残した。

 一方で、松本大臣は「文書の精査を進めていく中で確認ができたこと、ご説明・ご報告できることは速やかに説明・報告をしていく考えだ。例えば関係者の聞き取りなどから礒崎総理補佐官から法律に関する照会・問い合わせがあったことは判断できると申し上げてきた。他方で、面談に係る行政文書の内容が正確であるかどうかはまだ確認が必要と申し上げてきたように段階的であっても確認できたこと、報告・説明できることは速やかに報告・説明していきたいと考えている」とした。

 ただ、この日の会見でも「放送法の解釈を変えていない」とし「極端な場合に関する例示の補充的な説明であると私は理解をしており、解釈を変えておりませんので撤回するものではないと考えている」と強弁した。

 記者団から「高市早苗経済安全保障担当大臣(当時の総務大臣)が(行政文書を)捏造とまでおっしゃっていることを松本大臣は重く受け止めなければならないといっているが、当時の総務省の官僚がわざわざ時の総務大臣に悪意を持った文書を捏造した可能性が高いとお考えなのか。総務省の官僚の皆さんの名誉と信頼にもかかわる問題であり、国民の中には高市大臣の方がうそをついており、反論できない総務省官僚に責任を転嫁しようとしているのではないかという声もあるようだが、文書を作成した総務省の官僚が正しく、高市大臣が自己保身のためにうそをついているのか、その逆なのか、大臣のお考えは」と質され「国会に行く時間になってしまいましたので、ご質問を伺ったということに」と答えなかった。(編集担当:森高龍二)