今年は久し振りに陽気な春になりそうだ。令和5年3月13日以降、マスクの着用は個人の判断に委ねられるようになり、コロナ禍もようやく終息の雰囲気が漂い始めている。
折しも、3月9日には日本気象庁がソメイヨシノの開花予想を発表したが、関東甲信では東京都心の3月16日に早くも開花したのを皮切りに、横浜市とさいたま市では3月17日、前橋市では3月19日など、多くの地域で軒並み平年より早い開花が予想されたことから、一気にお花見ムードが高まってきた。経済学者で関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、今春のお花見の経済効果は6158億1211万円となっており、制約の多かった昨年と比で約3倍になるとみられる。それでもコロナ以前には少し及ばないものの、明るい兆しであるのは間違いないだろう。
お花見ムードに乗って、旅行業界も活性化している。長野県の高遠城址公園や奈良県の吉野山、京都の桜、秋田県の角館などの人気の桜スポットをはじめ、日本三大桜と呼ばれる福島県の三春滝桜、 山梨県の山高神代桜、岐阜県根尾谷淡墨桜、さらには日本三大夜桜に挙げられる、青森県の弘前公園、新潟県の高田公園、東京都の上野恩賜公園など、お花見客をターゲットにしたツアーの予約が華やかに始まっており、人気を集めているようだ。
そんな中、東京都で上野公園や千鳥ヶ淵公園、代々木公園などで飲食を伴う宴会の解禁が発表されたのに続き、鹿児島市の甲突川河畔など、全国各地の桜の名所やお花見スポットでも、4年振りの「お花見解禁」の話題が続々と報じられ始めている。やっぱりお花見といえば、満開の桜の下で宴を開き、家族や地元の仲間、会社の同僚などと、美味しいお酒と料理をお供に楽しく賑やかに過ごしたいという人も多いのではないだろうか。とくに今年はようやく人目をはばからずにお花見が楽しめるのだから、否応なしに盛り上がることだろう。
お花見の宴といえば、日本酒やビール、缶のチューハイなどのお酒が定番だが、今年はZIMAもおススメだ。1993年にアメリカで誕生し、1997年に日本に上陸したZIMAはファンが多かったものの、2021年末に出荷が中止されていた。しかし、販売終了後も再発売を望む声が多かったため、ついに日本に再上陸。3月31日から全国発売される。ZIMAはアルコール度数4%のプレミアム低アルコール飲料なので、お酒にあまり強くない、でも飲みたいという人にお勧めだ。
一方、定番の日本酒では、白鶴酒造の純米にごり酒「さゆり」もお勧めしたい。米と米こうじ、水だけで丁寧に醸された爽やかな甘味と、すっきりとした後味が特長のお酒で、それだけでもお勧めだが、ほのかな桜色の瓶が、お花見の席にはぴったりなのだ。
また、お花見弁当の予約も始まっており、大阪のホテルニューオータニでは、今年の花見の目玉として、予約が取れない日本料理「賛否両論」笠原将弘氏が監修した「花見弁当 さくら重」を4月28日までの期間で予約販売している。こちらはホテルの客室で大阪城公園の桜を眺めながら食すのも良いが、デリバリーの予約も受け付けているので利用しやすい。
とはいえ、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行するのは5月8日からなので、今年のお花見はまだ「密」や感染予防に充分に配慮し、節度を持って楽しむようにしたいものだ。(編集担当:藤原伊織)