岸田文雄総理は26日の防衛大学校卒業式の訓示でロシアによるウクライナ侵略を語ったうえで「我が国の周辺国・地域においても、核・ミサイル能力の強化、急激な軍備増強や力による一方的な現状変更の試みが一層顕著になっている。今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と語ったうえで「我が国は、我が国だけで守れるものではない。同盟国や同志国との連携は不可欠」と強調した。
岸田総理はその対応として(1)米国とは1月の日米首脳会談で安全保障分野での協力を含む日米共同声明を発表し、日米同盟の抑止力・対処力を強化する決意を新たにした。
(2)豪州とは昨年10月に安全保障協力に関する新たな共同宣言を首脳レベルで発出した。
(3)英国やイタリアとは次期戦闘機の共同開発プロジェクトが始まった。史上初めて、戦闘機を欧州の国々と作っていくことになる。
(4)韓国は、国際社会における様々な課題への対応を協力していくべき重要な隣国。現下の戦略環境に鑑み、安全保障面を含め、日韓・日米韓の戦略的連携を強化していく。
(5)ASEAN(東南アジア諸国連合)とは主導する枠組みにおける中心性・一体性を支持しつつ、戦略的寄港、共同訓練などを通じ、各国との協力・交流を強化する。
岸田総理は取組みの一環を披瀝したうえで「同盟国・同志国との関係は一層強固なものとなっている。その関係に魂を込めるのは皆さんを始めとする自衛官だ」と訓示した。
また「御家族の皆様、卒業して任官する諸君が後顧の憂いなく職務を全うできるよう、私も全力を尽くすことを誓います」と語った。(編集担当:森高龍二)