コロナ禍の終息ムードの高まりから、今年のGWの日本列島は数年振りの賑わいとなりそうだ。既に旅行の計画を立てて、楽しみにしている人も多いのではないだろうか。
JR東日本が4月14日に発表した「ゴールデンウイーク期間」の指定席予約状況(4 月 13日)によると、4月28日(金)から5月7日(日)までの 10 日間における指定席予約席数は、新幹線 75 万席(2018 年比 94%)、在来線を含めた全体では 92 万席(2018年比 96%)となっており、コロナ禍前の状況に戻りつつあるどころか、それを超えそうな勢いだ。空の便も同様で、中日の2日間を休めば最大9連休にもなることから、海外や飛行機を利用した国内旅行も人気のようだ。日本航空では出発日を5月7日にずらすことでGWのピーク時よりも半額以上も安くなる旅行パッケージプランの提供も開始している。
そんな中、SNSやYouTubeなどのネットからの情報発信を発端に人気が急上昇しているのが「フェリー旅」だ。時間に追われる現代人にとって、移動時間はなるべく短縮したいもの。時間のかかる船旅はどうしても敬遠されがちだが、実はフェリーの船内には美味しい食事を提供してくれるレストランやゆったりくつろげる大浴場、ホテルのような船室があり、目的地に移動しながら、ラグジュアリーな気分を満喫できるのだ。電車や飛行機とは違って、船内は自由に歩き回れるし、ゲームコーナーなどもあるので、子どもたちも退屈しないで済む。自家用車も積んで行けるから、現地の移動もラク。何かと荷物の多い家族連れにも最適だ。
フェリー旅の目的地として、今注目が高まっているのが九州だ。九州への航路は、関東方面なら横須賀港から東京九州フェリーが門司港まで就航、関西方面なら、大阪からは別府港と鹿児島の志布志港、神戸からは大分まで、「さんふらわあ」が就航している。とくに、桜島や奄美大島などをはじめ、見どころの多い鹿児島は、これからの国内旅行先として人気を集めそうだ。
鹿児島ではウイズコロナ・アフターコロナ時代に向けて観光誘致事業も活性化している。積水ハウスとマリオット・インターナショナルが展開している地方創生事業「Trip Base 道の駅プロジェクト」でも、4月12日に11道府県25か所目で、同事業で九州初上陸、鹿児島県では初の外資系ホテルとなる「フェアフィールド・バイ・マリオット・鹿児島たるみず桜島」を開業している。開業式で積水ハウスの仲井社長は、「ホテルは宿泊特化型のため、食事やお土産、アクティビティなどは地元で楽しんでいただき、訪れた方は地域のディープな魅力を発見できる」とホテルの特長を説明している。客室からは、内湾でありながら深海を持つ珍しい「錦江湾」と桜島の雄大な景色を望めることができる。薩摩グルメを堪能したり、野生のイルカウォッチングなどを楽しむことができるアクティビティも充実しているので、家族からアクティブシニアまで、広い世代で楽しめそうだ。
待ちに待った、外出規制のない大型連休や夏休み。海外旅行や楽しいテーマパーク、賑やかな大型イベントも良いけれど、ゆったりのんびり、美しい日本を再発見する旅もいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)