新入社員だけじゃない5月病リスク。ウィズコロナ時代のストレス回避のコツは?

2023年05月07日 10:10

5月病

ゴールデンウィーク明けの体調の変化が起こりやすい時期に向け、「5月病に関する調査(2023年)」積水ハウスから発表された

 ゴールデンウィークが明けると、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5月8日から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられ、日本もいよいよ、ウィズコロナ・アフターコロナ時代が始まる。感染対策には十分に注意を払う必要はあるものの、これまでの制限された生活からようやく解放されることに喜びを感じている人も多いだろう。

 コロナ禍で停滞していた経済活動の活性化も期待される一方、抑圧された生活からの急な変化を心配する声もある。とくにゴールデンウィーク明けはいわゆる「5月病」と言われるような心身の体調不良が起きやすい季節。5月病は新入社員がなるものというイメージが強いようだが、決してそうとは言い切れない。体調や環境の変化で誰しもがなってしまう可能性があるのだ。

 積水ハウスの研究機関の住生活研究所が全国の20~60代の男女を対象に実施した「5月病に関する調査」によると、30代の45.0%、入社3-5年目の61.0%が2022年に5月病を経験しているという。50代のベテラン社員でも3割近くが5月病になっているという結果が出ている。また、2022年の5月病経験者は全体の35.0%にも上り、原因の1位は「出社のストレス」が42.3%を占めている。

 同調査によると、生活の変化があった直後はとくに5月病になりやすい傾向が見える。直近の生活に変化があった人となかった人では、「(生活の)変化があった」人が13.4ポイント高い割合で5月病になっているのだ。ゴールデンウィーク明けに新型コロナが5類に移行される今年は、在宅勤務から会社への出社割合が増えるなどの変化が想定され、やはり注意した方がよさそうだ。飲み会や食事会、旅行など、集まったり出かけたりする機会が増えることは嬉しいものの、その分、人間関係のストレスを感じる機会も増えてしまう。また、いくら感染症法上での位置づけが緩和されたからといって、コロナへの不安が拭えるわけではない。マスクの着用も自己判断になった今、「付き合い」と感染リスクのバランスをとることも難しくなるだろう。

 積水ハウスでは、これらの調査結果をもとに、5月病対策として自宅でしっかりとリフレッシュすることを4つの「幸せTips 」としてまとめている。

 まず、1つめは「自分だけのおやすみルーティーン」をつくることだ。寝る前に白湯を飲む、眠気を誘う音楽を聴くなど、自分だけの工夫を毎日続けて習慣化し、暖色系の照明を使うなど、体内時計を整えることもすすめている。

 2つめは、「日々の疲れをとるバスタイム」として睡眠の質を高めるために就寝の2~3時間前にお湯につかって入浴し、日々の疲れをしっかり取ることだ。入浴後はリラックスできるスキンケア、ボディケアスペースをつくり、ゆっくりと自分を労わる時間を持つと、よりリフレッシュできるだろう。

 3つめは、「家族団らんで幸せチャージ」だ。身近な人と過ごす時間は気持ちを切り替えてくれる。一人暮らしの人は、柔らかいものを抱きしめながら大切な人と電話等で話すのも効果があるそうだ。

 そして4つめは、「癒しにつながるインドアグリーン」。リビングや寝室にグリーンを取り入れることをすすめている。室内にグリーンがあると副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスし、疲労が回復することが医学的にも分かっているらしい。

 いずれにしても、5月病の対策としては何よりもまず、ストレスを溜め込まないことだろう。自分では大丈夫なつもりでも、知らず知らずのうちに心が疲弊してしまっていることもある。4つの「幸せTips」を参考にしたり、自分のストレス発散方法、リラックス方法を見つけたりして、5月の後半を楽しく元気に乗り切ってほしい。(編集担当:藤原伊織)