5月になると、毎年話題になるのが五月病。五月病はご存知の通り、新入生や新入社員などが5月の連休明け頃に感じる、無気力や疲労感、プチうつ、不眠などの症状などの症状のこと。医学的にはそんな病名は存在しないが、本人や、その周囲の人々にとっては、医学はさておき深刻な問題に発展することもある。
五月病は、急激な環境の変化への適応や、それに伴う緊張感の反動や精神的な疲労が原因といわれているが、中には意気揚々と入社したはずの会社に「こんなはずじゃなかった」と失望することがきっかけになっていることもあるだろう。とくに最近は、ブラック企業などという言葉も流行しているように、劣悪な労働環境の企業も後を絶たないのが現状だ。一生の職場とまでは考えていなくとも、大きな精神的ストレスになることは間違いない。
厚生労働省でもこの問題に対し、厳しい姿勢を見せ始めている。労働基準関係情報のメール相談窓口を設けたほか、違法な長時間労働などで年3回の是正勧告を受けた大企業の社名公表したり、ブラック企業の可能性がある違法行為をはたらいている企業はハローワークの求人に掲載できない制度などを作る動きを見せている。また、2015年6月からは、まったく逆の発想で、「ホワイト企業」の認定・公表制度である「安全衛生優良企業公表制度」も施行している。これは、制度に定められている審査項目をクリアし、審査を通過すると、「安全優良企業」として認められ、その企業は3年間にわたって「ホワイト企業」であることをPRできるというものだ。
そんな中、一般財団法人日本次世代企業普及機構(JWS)も、素晴らしい中堅中小企業を発掘し、認定し、表彰をするという理念のもと、「第1回ホワイト企業アワード」を開催し、142社の応募の中から、とくに次世代に残すべきホワイト企業11社を選出、4月25日、26日に表彰式を行った。
選ばれたのは、イーソル株式会社、株式会社京進<4735>、株式会社アキュラホーム、株式会社アルペン<3028>、株式会社イーウェル、株式会社キャリアプランニング、株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン<3319>、株式会社サカエ、株式会社ジュピターテレコム、株式会社中部システムセンター、大鵬薬品工業株式会社の11社。中には、アキュラホームのようにCSR部門賞、女性活躍部門賞をダブル受賞している企業もあった。
第1回目という事もあり、世間的な認知はまだ低いものの、ブラック企業というマイナスの視点ではなく、ホワイト企業というプラスの視点で取り上げることで、企業の利益にもつながるだろう。今後、回数を重ねるごとに注目度が高まるのではないだろうか。(編集担当:松田渡)