マイナカードで人為ミスやシステムトラブル続出

2023年05月14日 09:51

 病院でマイナ保険証を利用したところ、別人の情報が紐付けされ、個人情報や病歴の漏えい、医薬品の飲み合わせによって命に関わる危険性まで指摘されている問題について、加藤勝信厚労大臣は12日の記者会見で「マイナンバーを入力する際、入力時にミスがあってマイナンバーカードにそれ以外の人の情報がくっついていたというケースだと認識している。今一斉にチェックし、今後こうしたことが起こらないように入力時において十分に配慮してもらう、これを徹底させていただいている」と人為的ミスである旨を強調した。

 マイナポータルで参照したところ、他人の住所、連絡先も見ることができたという。人的ミスであれ、システム上のミスであれ、あってはならないミスだけに、再発防止の徹底が求められる。

 松本剛明総務大臣はこの問題に関して記者団の問いに「いわば医療保険を管理運営している保険者におけるデータ登録の課題になるものと理解しており、厚労省で対応いただいていると承知している。厚生労働省でご対応いただくものだ」と述べた。

 一方で、マイナカードを使ったコンビニでの証明書交付サービスで他人の証明書が交付されるトラブルが相次いでいることについては「各団体が構築して管理する証明書発行及びこれに関連するシステムにおける誤ったプログラム処理が原因と報告を受けている。別人の証明書が交付されるという個人情報漏えい事案が立て続けに発生したことは大変遺憾だ」と述べた。
 
 そのうえで「総務省も、自治体だけでなく、当該事業者の富士通Japanからも直接、原因や再発防止策について確認させていただいている。責任者から総点検の内容について聴取し、個人情報の漏えい事案が二度と生じないよう強く求めた。様々な環境での動作確認、運用監視体制の強化、申請者と印刷ファイルの紐付け改善等のシステムの根本的な改善の実施などを要請した」と語った。

 松本大臣は「マイナカードの本人確認の機能に問題があったということではないと理解している。いずれの事案も、マイナカードによる本人確認は正常に行われており、証明書発行に関するシステムの不具合によって別人の証明書が発行されてしまったもので、マイナカードの本人確認の仕組みの問題ではないと理解している」と強調した。(編集担当:森高龍二)