岸田文雄総理は15日開かれた情報保全諮問会議(座長・老川祥一読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆代理)で特定秘密保護法(2014年12月施行)について「わが国に対する国際的な信頼が増した。関係国との間で質の高い情報交換がより緊密にできるようになった」と法制定、施行の意義や成果を強調した。
そのうえで「昨年12月、防衛省で法施行後初めて特定秘密等の情報漏えい事案が判明した。事案は我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあり、国民や関係国の信頼を大きく損なうものであり、政府においては同様の事案防止と特定秘密の適正かつ厳格な保護を徹底していきたい」と語った。
一方、政府が特定秘密保護法に則した運用状況に関する国会報告について「独立公文書管理監による検証・監察、衆・参両院の情報監視審査会の調査を含め、重層的なチェック体制をいかしながら細心の注意を払って法の適正運用に努めている」と語り「国会報告は法の運用状況を継続的に分かりやすい形で国民に公表し、秘密の取扱いの客観性と透明性を向上させる上で極めて重要なものだ」と述べた。
国会への報告(特定秘密の指定、解除、適性評価の実施状況に関する報告)では、情報保全諮問会議の委員の意見を付し、6月中旬に閣議決定のうえ、国会に報告・公表する。報告を踏まえた国会議論ができるのか、今国会の会期末は6月21日。(編集担当:森高龍二)