与野党の国会での質問時間配分では、前例としないことを条件に15日の衆院文部科学委員会では与党1に対し野党2の配分で委員会を開いたが、野党側の質問時間の短縮に、質問入り口段階で時間切れになるなど、与党側の思惑通りともいえる審議内容になった。
もともと、これまでの与党2、野党8の時間配分は自民党が野党時代に要求し、与党の民主党が受け入れた経緯がり、今回の1対1の要求にも自民党のご都合主義がうかがえる。
立憲民主党は与党の要求の問題点を整理し、15日、ツイッターで紹介した。筆頭に挙げた第1は「予算案や政府提出法案は与党内で事前に議論され賛成になった後に国会に提出されるが、野党は国会に提出されて後に初めて説明を受け、国会で議論する。質問時間の配分が野党中心となるのは当然で、与党が与党に聞くことが沢山あったとすれば、政府与党の不一致という問題になる」と与党内でまとまっていないものが国会に提出されるとすれば、それ自体に問題のあることを指摘している。
第2は衆議院での「質問時間」について「質問時間と答弁時間を合算したものなので、枝野代表が指摘する通り『大臣や副大臣、政務官が答弁と称して質問以上に長い時間をかけ主張してくる』ことはよくあり、2分の質問の後に閣僚が10分答弁し、12分経過しても12分が野党の質問時間になってしまう」と紹介。
質問時間潰しが戦略として行われてきたことは安保法制、テロ等準備罪、特定機密保護法など世論を二分してきた法案や加計疑惑、森友問題での案件の国会での質疑でも証明されてきた。
第3は「野党は国会の中では少数。民主主義が健全に機能し多数者の専制に堕ちないためには、少数意見や多様な意見を尊重する必要がある。そのための国会の慣習がまさに、野党に多めに質問時間を割り当てるということ(しかも、これを提案したのは当時の自民党)」と今回の求めがご都合主義だと指摘している。
結論として「議席数に応じて質問時間を配分するのはもっともだ、という自民党の意見は、議院内閣制を無視した主張。与党が質問し政府が答える時間がほとんどでは議会制民主主義は機能しない。このことから立憲民主党は、野党の質問時間をしっかり確保すべきだと考える」と説明している。(編集担当:森高龍二)