政府は「23年版 高齢社会白書」を20日公表した。それによると昨年10月1日現在での日本の総人口1億2495万人のうち、65歳以上の人口が29%となっていた。また75歳以上でも11%が就業している。就業することで社会との関りが持続するメリットがある一方、働かなければ年金だけでは生活できない実態も背景にあることを示している。
中でも75歳以上の人口は1936万人と総人口の15.5%を占めていた。白書は2070年には2.6人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上の人口構成になるとみている。
また高齢者の就業率をみると、2012年に比べ、2022年では60歳~64歳で57.7%が73%に15.3ポイント上昇、65~69歳では37.1%が50.8%に13.7ポイント上昇、70~74歳でも23%が33.5%に10.5ポイント上昇、75歳以上でも8.4%が11%に2.6ポイント上昇していた。
また白書では地方自治体のユニークな取組みも紹介。例えば「北海道更別村では高齢者が100歳世代まで生きがいを持って楽しく過ごせるために必要な基本サービスを目指し、デジタル技術を活用して少子高齢化により薄れた人々のつながりの回復と村民の健康の向上を図るとともに、高齢者でも楽しく元気に続けられるスマート農業を実現するための取組みを実施している」と紹介。そのうえで「政府としては各地域の取組みを後押しし、生涯にわたって生きがいを感じて健康に暮らせるよう取り組んでいくことが重要と考えている」としている。(編集担当:森高龍二)