岸田文雄総理は6日までに寄せたインドネシアの有力紙「コンパス紙」への寄稿文で「ロシアによるウクライナ侵略は欧州のみの問題ではなく、国際社会全体がよって立つ原則そのものへの挑戦」と改めて強く非難した。
岸田総理は「ロシアのウクライナ侵略が悪化させた食料やエネルギー価格の高騰は東南アジア諸国の地域の人々の生活にも影響を与えている」としたほか、中国を念頭に「インド太平洋地域に目を向ければ力による一方的な現状変更の試み、北朝鮮による核・ミサイル活動の活発化などの試練に直面している」と記述し「強靱なサプライチェーンの構築や経済的威圧への対応が喫緊の課題になっている」と提起した。
そのうえで「この地域を力や威圧とは無縁で、自由と法の支配を重んじる場として育て豊かにしていくことは日本とASEANのみならず、世界全体の利益になると確信している」と呼び掛けた。
岸田総理は「本年3月にFOIPのための新たなプランを発表し、重要な地域として初めに東南アジアを挙げ、ASEAN共同体の統合に貢献してきた日・ASEAN統合基金(JAIF)に新たに1億ドルの拠出を表明した。さらに包括的な日ASEAN連結性イニシアティブを刷新することを表明した。従来の交通インフラ整備支援に加え、デジタルや海洋協力、サプライチェーン、電力の連結性、人・知の連結性を含めた幅広い分野での技術協力を進め、ASEANの統合深化を後押しする」としている。(編集担当:森高龍二)