日本経済団体連合会が4日開かれた国内投資拡大のための官民連携フォーラムで「2027年度の設備投資115兆円という目標には官民連携での取組みが必要。国内投資拡大を後押しする税制・規制改革が必要だ」と求めた。
経団連は「社会課題の解決に向けて民間だけでは実現困難な分野や社会インフラなどに対し中長期的な計画に基づき、複数年にわたって政府投資を行うことで、企業の予見可能性を高めることが重要」と求めた。
また税制では「戦略物資の国内生産に対する投資促進税制の創設(事業投資全体を通じた支援)」「イノベーションボックス税制の創設」「賃上げ促進税制の延長・拡充」「株式報酬制度全体の見直し」など企業・株主優遇策の税制での後押しを求めている。
加えて、エネルギーでは「原発の着実な再稼働と次世代革新炉や核融合炉の開発に大胆に開発資金を投入し、開発スケジュールを大幅に前倒しすべき」などと求めた。
岸田文雄総理はこうした求めに「戦略分野の国内投資促進に向けて生産活動に応じた減税制度を創設し、知的財産から生じる所得に対し減税するイノベーションボックス税制の創設を図る」とした。
また岸田総理は「予算・税制・規制のあらゆる面で世界に伍して競争できる投資支援パッケージを年内に取りまとめる。まず今月中をめどに取りまとめる経済対策で戦略分野への投資促進、賃上げにつながる省人化投資、喫緊の対応が迫られるインフラ整備など、先行して取組むべき施策を盛り込む」と明言した。経団連要請の企業・株主優遇政策がさらに加速するもよう。(編集担当:森高龍二)