気分は芸術家? 企業のCSRをきっかけに、新しいアートにふれる秋を

2023年10月22日 09:59

 芸術の秋。毎年、この時期になると何かのアートに挑戦してみようと思いつつ、なかなか始められないでいる人も多いのではないだろうか。アートにふれたり、携わったり、没頭したりすることは、それがたとえ趣味であったとしても、心と人生を豊かにしてくれるものだ。何かのきっかけで始めたことが、生涯のライフワークになるかもしれない。また、共通のアートを通して友人関係が広がったり、家族とのコミュニケーションを深めたりする手立てになることもあるだろう。

 そんなアートを新しく始めるきっかけとしておすすめしたいのが、アート系の企業CSRだ。

 企業のCSRには、海外支援や植樹活動など様々なものがあるが、中でもアート系に力を注いでいる企業は多く、観たり聴いたりするだけのものから、アーティストへの積極的な支援を行っているものや、大人から子どもまで気軽に参加したり体験できたりするものも多い。

 また、近年はSDGsの観点から、環境問題などのテーマを含んだものも増えており、アートを楽しみながら、学んだり、社会に貢献したりすることもできる。

 例えば、総合住宅メーカーのAQ Group(旧アキュラホーム)が先日開催した「第一回廃材アートコンテスト」などがある。同社では「夏休みの木育課外授業 つくろう!木育フェス」を建築中の「8階建て純木造ビル」をはじめとする全国のモデルハウスで開催。その中で、純木造ビルの廃材である木っ端が「どんなものに見えるか」「どんなものになるか」と発想を膨らませながら作品を製作するイベントを行った。木と触れ合い、木を知ることで地球環境を守る意識を持つきっかけとなる機会を創出することが主な目的だが、作品を作って終わりではなく、さらに深く木について考えるきっかけとなるように開催したのが「第一回 廃材アートコンテスト」だ。全国から、子どもたちの豊かな想像力と想いが輝く全464件作品の応募があり、審査には業界関係者の審査委員だけでなく、WEBやSNSを通じて一般からも投票で参加が募られた。最年少の応募者は2歳の子だったという。大人から子どもまで多くの人が「ものづくりの楽しさ」や「木の大切さ」を感じられるアートコンテストとして、第二回以降の発展も楽しみだ。

 また、パソナグループの特例子会社であるパソナハートフルは、JR京都伊勢丹で11月21日より「アート村作品展2023 才能に障害はない」をオープンする。同社では1992年に、「才能に障害はない」をコンセプトに、就労が困難な障害者のアートによる就労分野の拡大を目的に「アート村」を設立。2004年からは絵を描くことを業務とするアーティスト社員を採用するなどの活動に取り組んでいる。今回のアート村作品展では、新たな試みとしてメタバース空間でも楽しむことができる。

 絵画だけでなく、音楽や演劇などのコンテストや催しも、この秋はたくさん企画されているようだ。秋の爽やかな風の中、あなただけのアートを探しに出かけてみてはいかがだろうか。(編集担当:今井慎太郎)