政府は食料・農業・農村基本法とその関連法の改正案を来年の通常国会に提出するための作業を急ぐ。
政府は「今後20年間で基幹的農業従事者が現在の約120万人から30万人にまで減少することが見込まれる」としており「従来の生産方式を前提とした農業生産では農業の持続的な発展や食料の安定供給を確保できない」とスマート農業を振興する新たな法的枠組み創設」などに取組む。岸田文雄総理は27日開いた食料安定供給・農林水産業基盤強化本部で意向を語った。
この日の会合で岸田総理は「我が国農林水産業が直面する食料や肥料の世界的な需給変動、環境問題、国内の急激な人口減少と担い手不足といった社会課題を正面から捉え、地域の成長へとつなげていくべく農政を抜本的に見直す」と述べた。
そのために「食料・農業・農村基本法について制定から4半世紀を経て初の本格的な改正を行うとともに、これを実現していくため、不測時の食料安全保障の強化、農地の総量確保と適正・有効利用、食品原材料の調達安定化、スマート農業の振興に向けた法整備を行う」とした。
このうち、農産物・食品輸出の促進では「生産から流通・販売に至る関係者が一体となって、地域ぐるみで輸出を推進する体制を構築し、海外の規制・ニーズに対応した生産・流通への転換により、高い付加価値を創出するとともに生産性の高い輸出産地の形成を推進する」としている。(編集担当:森高龍二)