一月も下旬に差し掛かったあたりから、マスク姿の人が目立つようになってきた。風邪やインフルエンザなどの感染症対策もあるが、早くも花粉症に備えて、マスクの着用を心掛けているという人も多いのではないだろうか。
気象予報サイトや気象予報士、医師などの専門家が分析した予測をまとめてみると、2023年の夏が猛暑だった影響で、多くの地域で例年並みか例年よりやや多い花粉の飛散が見込まれている。また、スギ花粉のピークは2月下旬から3月下旬、ヒノキ花粉は3月中旬から4月中旬と予測されており、例年よりも1週間程度早くなりそうだという。とはいえ、飛散開始予報前から花粉が飛ぶこともあるので、花粉症の方は早めの予防が得策だ。
花粉症対策としては、大きく二つの手段が考えられる。一つは、花粉そのものを寄せ付けない、もしくは自分の居場所からなるべく花粉を排除すること。そしてもう一つは、花粉に対して強くなることだ。
一つ目の具体的な方法としては、手洗い、うがい、マスクの着用などが基本となる。新型コロナ禍の経験もあって、もう習慣がついているという人も多いだろう。使い捨てのマスクでは、スキマを作らず、強力遮断してくれるユニ・チャームの「超立体マスク」など、お馴染みの不織布マスクのほか、バイオインターナショナル株式会社から発売されている、鼻腔に直接入れて、洗って繰り返し使うことができる鼻マスク「ノーズマスクピット NEO」なども口コミで人気が上昇している。また、空気清浄機では、吸い込んだ空気に含まれる16種類もの花粉を99%以上除去してくれるダイキンの「ストリーマ空気清浄機」や、「プラズマクラスターNEXT」を搭載したシャープの加湿空気清浄機「KI-SX100」などが今年の売れ筋商品になりそうだ。
二つ目の、花粉に強くなる具体的な方法としては、抗炎症・ 抗アレルギー作用がある甜茶や、乳酸菌、シソなどの食品を積極的に摂取することで、花粉症の諸症状を軽減できることが医学的な臨床試験で証明されている。
また、山田養蜂場の研究によると、ブラジル産プロポリスを花粉の飛散前から継続的に飲用することで、花粉症の発症を遅らせたり、鼻づまりの発症率を低下させたりできることが確認されたという。プロポリスは、ミツバチがさまざまな植物の新芽や樹脂などから集めた樹液に花粉やミツバチの分泌物である唾液、ミツロウなどを混ぜてつくり出すもので、抗菌作用や、免疫力向上効果、他にも虫歯予防など、さまざまな病気や症状に効果があると学術的にも認められているものだ。花粉症対策としてはもちろん、健康維持の目的で飲用している人も多いようだ。
とはいえ、プロポリスや甜茶なども、効果の裏付けはあっても、即効性のある化学薬品ではない。これからの数か月を快適に過ごしたいのなら、早め早めの対策を心掛けたい。花粉はピーク時期だけに飛散するのではなく、もうすでに飛び始めているのだから。(編集担当:今井慎太郎)