野田佳彦元総理は所得が300万円以下の小規模納税者、年金受給者、給与所得者を対象にした地元の公民館での所得税の無料申告相談会場を訪ねた際、高齢の来場者から「裏金議員はなぜ逮捕されないのか、と厳しく問われた」と自民党派閥の政治資金パーティーを巡る「裏金」問題への東京地検特捜部の対応に強い疑問と裏金議員への高齢者の怒りの発言を5日のコラムで紹介した。
そのうえで野田元総理は「パーティー券の還流(キックバック)分は収支報告書の訂正で済む話ではない。議員個人の『雑所得』として課税対象になる可能性が大です。受領した議員に税務申告させなければ確定申告会場の怒りは頂点に達するでしょう」と記した。
岸田文雄総理の対応に関しても「岸田総理は『私自身が先頭に立って政治改革の取り組みを必ず実行する』と大見得を切りながら、曖昧な答弁に終始。本質的な議論をはぐらかしたり逃げたりの先頭に立っています。こんな国会中継を見ていたら、国民の納税意欲はなくなってしまいます」と強い批判とともに政治不信を助長しかねない岸田総理の姿勢に懸念を示した。
野田元総理は「影響力のある企業・団体からお金をもらえば、それを意識して政策実現しようとします。政治力のある政治家が動けば、役所も意識せざるを得ません。お金のない人、声なき人の政治は実現できなくなります。これこそ、金がかかる政治の弊害です」と元総理の問題提起だけに真実味が強い。
野田元総理は、コラム最後に「パーティー券購入を含む企業・団体献金の廃止、政治資金をガラス張りにするためのデジタル化推進、政治家の責任逃れを許さない連座制の強化など、具体策を詰めていく決意です」と書いた。いずれも実現しなければ『政治の正常化(清浄化)』は図れない。(編集担当:森高龍二)