現在、1円単位の記帳に基づく「所得税申告」が始まり、売上1000万円以下事業者でも大手取引で避けられないだろう「インボイス」による消費税納税申告も4月1日までに行う義務が課されるようになった中、自民党議員による「裏金」問題に相当な批判が上がっている。自民党派閥の「組織犯罪」との指摘もある。
「裏金議員リスト」と額を見るにつけ「怒りを覚える国民」は多い。衆議院では二階俊博元幹事長(和歌山3区、3526万円)、三ツ林裕也元副幹事長(埼玉14区、2954万円)、萩生田光一元政調会長(東京24区、2728万円)、堀井学元内閣府副大臣(比例北海道、2196万円)、武田良太元総務大臣(福岡11区、1926万円)、差別発言で物議をかもしている杉田水脈元総務大臣政務官(比例中国、1564万円)など51人。
参議院では旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が故安倍晋三元総理レベルに重視し支援していた山谷えり子元国家公安委員長(比例、2403万円)、橋本聖子元五輪担当大臣(比例、2057万円)、世耕弘成自民党参院幹事長(和歌山、1542万円)、宮本周司元財務大臣政務官(石川、1482万円)、堀井巌元外務政務官(奈良、876万円)など31人。
少なくとも裏金が1000万円を超える衆議院議員15人と参議院議員4人。これに加えて2022年参院選挙の年に裏金が特別に急増していた末松信介元文科大臣(兵庫)584万円=このうち22年に410万円、佐藤啓元財務政務官(奈良)306万円=22年に214万円、江島潔副幹事長(山口)280万円=22年に140万は国会議員の責任として、衆参公開による「政治倫理審査会」で「裏金をつくることになった経緯とその使途」を明らかにして頂きたい。
自民党は衆院での政治倫理審査会への出席者を安倍派座長だった塩谷立氏、二階派事務総長の武田良太氏、松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業大臣、高木毅前国対委員長の5人と野党側に伝えている。
5人とも「非公開」での政倫審を希望しているという。しかし、これだけ民主主義の基盤を傷つける行為を組織的、継続的に行った経緯を踏まえれば、公開で国民に説明するのは当然だ。政倫審は「原則非公開」だが、これまでにも公開事例があり、今回も公開に値するといえる案件だ。二階俊博、萩生田光一、下村博文、山谷えり子、橋本聖子の5氏には是非とも、政倫審の場で説明していただきたい。
立憲民主党の泉健太代表は22日、党の「次の内閣」の場で「逃げも隠れもするのが自民党の姿勢ということが明らか。国民に裏金問題の真相を明らかにすべきなのに非公開では何の意味もない。隠そうとしている自民党は厳しく批判されるべき」と語ったが、真相を明らかにできないような政倫審であれば、偽証罪に問われる「証人喚問」へステージを移すほかないだろう。
森喜朗元総理の参考人招致も必要だ。今回の問題、徹底解明し、再発防止策を構築できなければ政治改革、政治への信頼などほど遠い。(編集担当:森高龍二)