自民党派閥の政治資金パーティーでの裏金事件を巡る問題で、塩谷立衆院議員が3月の政治倫理審査会で「(議員に対するノルマ超過分の還付は)20数年前から始まったのではないか」とするなど、森喜朗元総理が安倍派の清和会会長を務めていた時期(1998年~2000年、2001年~2006年)に始まったのではないかとしていることなどを踏まえ、22日の衆院予算委員会で立憲民主党の岡田克也幹事長は、森氏を事情聴取した岸田文雄総理に真相を質した。
岸田総理は「電話で森元総理を聴取した。(還付スタートなど、慣行に関して)森元総理の直接の関与を確認することはできなかった」と答えた。「なぜ電話だったかは、聞き取り調査をする中で森元総理との日程などの調整で電話での聴取になった」と政治不信最大原因の究明にも直接面会で聞き取りしない総理の認識の甘さが露呈した。
岸田総理は「こうした慣行がいつから始まったのかということの証言は直接には得られなかった。具体的関与の確認はできなかった。聞き取り調査の内容について詳細を明らかにしない、実効性を高める観点からそういった前提での調査だった」とし、なんら具体的説明はしなかった。
岸田総理は「私の責任で聴き取り調査した。記録はない」とも答弁し、森氏への聞き取りに対する客観的な裏付け資料が何もないことも平然を語った。
岡田氏は「何もしていないのと一緒だ。そんないい加減なことで納得されるわけがない」と批判。森元総理を呼び、記録を取って聴取するよう求めた。証人喚問の場にあげる必要がありそう。(編集担当:森高龍二)