木原稔防衛大臣は8日の参院本会議で鹿児島県の航空自衛隊馬毛島基地建設について立憲民主党の水野素子議員の質問に答え、馬毛島基地建設に伴う航空自衛隊先遣隊の規模について「約90人」とし、基地完成後の常駐人員規模については「約200人を勤務させる方向で検討している」とした。また危惧されているマゲシカへの影響について直接の答弁はせず「環境にも配慮する」とした。
この日の質問で水野氏は先遣隊の規模や完成後の常駐隊員規模を質すとともに「馬毛島基地の建設により環境省が保護するマゲシカの生息地の環境破壊が急速に進んでいる。周辺の良好な漁場は消失し、近隣の種子島では基幹産業だった漁業が壊滅的な状態。医療機関や農業などの人材も不足し、市民が不安を覚えている。強引に建設を進めず、立ち止まって市民の声を聞くべきではないか」と求めた。
木原大臣は「南西地域の自衛隊訓練、緊急時の活動、米軍空母艦載機の離着陸訓練のため馬毛島基地を開設する予定である」としたうえで「馬毛島基地開設を担う先遣隊は約90人規模で新設、将来的には飛行場の維持管理のため恒常的に約200程度の自衛隊員が勤務する方向で検討している」とし「引き続き、地元に対する説明や適時適切な情報提供を行いながら、環境にも配慮し、施設整備を推し進める考えだ」と答えた。(編集担当:森高龍二)