林芳正官房長官は20日の記者会見で、ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長(朝鮮労働党委員長)が「一方が個別の国または複数国から武力侵攻を受け戦争状態になった場合、国連憲章51条と北朝鮮、ロシア連邦の法に基づき、直ちに自国が保有するあらゆる手段を用いて軍事的及びその他の援助を提供する」条項を含む『包括的戦略パートナーシップ条約』に署名したことについて「政府として、今回の露朝首脳会談の結果を重大な関心を持って注視している」と述べた。
林官房長官は「今回署名されたとされる条約については内容を説明する立場にないが、プーチン大統領が関連の国連安保理決議への直接的な違反となりうる北朝鮮との軍事技術協力を排除しなかった点は我が国をとりまく地域の安全保障環境に与える影響の観点から深刻に憂慮している」と述べた。
林官房長官は「類似の国連安保理決議についてはロシアを含めた安保理理事国が全会一致で採択してきたものであり、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の廃棄を求める国際社会全体の意思を反映している。こうした国際社会の意思にも関わらず、ロシアは関連の国連安保理決議に明白に違反して北朝鮮から弾道ミサイルを含む武器弾薬を調達し、ウクライナで使用している」とプーチン大統領の対応を強く問題とした。
また「北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求めていく考えに変わりはない」と強調した。(編集担当:森高龍二)