立憲民主党の長妻昭政調会長は11日の記者会見で、2024年公的年金財政検証について、基礎年金の目減りが今後、実質的に3割目減りする。厚生年金も影響を受ける。これをどうするのかという答えが未だない。これは大きな問題と指摘。年金受給額の格差、最大7倍や所得代替率の在り方にも「分母が手取り、分子は額面」にしているなど高くなるようにしていると問題提起した。
長妻氏は会見で、現在、公的年金(65歳以上の方々)を受けている方で月額10万円以下の方が受給者の半分近くを占め、10分類すると金額ベースで、最も多い人は最も少ない人の7倍になっていると年金格差も指摘。
所得代替率については政府が50%を超えるように『逆算している』との認識を示した。長妻氏はOECDの所得代替率と日本の所得代替率を同じ基準に揃え、単身世帯で比較すると日本の所得代替率は32.4%。OECDの平均は50.7%になる。非常に水準が低いと説明した。
そのうえで、長妻氏は今の所得代替率の出し方は法律で規定されているのでやめろとは言わないが、世界標準による所得代替率も出すべきと提案。長妻氏は日本の所得代替率の算出方法では「分母は現役世代の保険料を引いた手取り収入」になっていて「分子は額面」。しかも「分子は専業主婦と夫の2人。分母は1人」となっており「所得代替率が高くなるように人数が分子と分母で違う。分母が手取り、分子が額面になっている国はほとんどない。これで所得代替率を大きく出している」と指摘し「いずれにしても最低保障機能が弱い」と課題にあげた。(編集担当:森高龍二)