「核戦争のない世界維持も重要」と石破総理

2025年04月02日 06:14

 石破茂総理は3月31日、「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議委員の表敬を受け「厳しい安全保障環境の下で、核兵器のない世界を目指すと同時に『核戦争のない世界』を維持することも重要」と述べ「唯一の戦争被爆国として知恵を絞り、たゆむことなく取組んでいかなればならない」と語った。

 また30日の同賢人会議会合に約25分間出席した岩屋毅外相は席上「核兵器のない世界の実現という理想に向けて一歩一歩前進していく姿勢が揺らぐことは全くなく、日本政府として、今次会合において取りまとめられる予定の提言を受け止め、核兵器のない世界に向けた現実的かつ実践的な取組みを継続していきたい旨述べた」(外務省)という。

 同賢人会議は核兵器国と非核兵器国の双方からの参加者が国の立場を超えて知恵を出し合い、各国の現職・元職の政治リーダーの関与も得て、核兵器のない世界実現に向けた具体的な道筋について自由闊達に議論を行う場で、2022年に発足した。2026年NPT運用検討会議に向け提言をとりまとめる。

 賢人会議は白石隆・熊本県立大学特別栄誉教授を座長にアンゲラ・ケイン元国連事務次長兼国連軍縮担当上級代表、ローズ・ゴッテメラー元米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)、高見澤將林(のぶしげ)東京大学公共政策大学院客員教授、ジョージ・パーコビッチ米カーネギー国際平和財団「核兵器のない世界に向けたジャパン・チェア」兼核政策プログラム・シニアフェローら15人で構成している。(編集担当:森高龍二)