イヤホンで難聴に? 若者を中心に急増する騒音性難聴を意外な伝統食が抑制

2025年04月06日 10:19

EN_re5_02

配信サイトの音楽をイヤホンやヘッドフォンで聴きながら、テレビやゲーム、ランニングなどのトレーニング、通勤や通学をしているという人も多いのではないだろうか

 スマートフォンとBluetoothイヤホンの画期的な組み合わせにより、音楽はより身近で手軽に楽しめるものとなった。配信サイトの音楽をイヤホンやヘッドフォンで聴きながら、テレビやゲーム、ランニングなどのトレーニング、通勤や通学をしているという人も多いのではないだろうか。音楽は気分を高揚させてくれたり、ストレスを軽減してくれたり、心と体を癒してくれる大切な文化だ。イヤホンは日常生活を豊かにしてくれる素晴らしいツールの一つであるのは間違いない。ところが、そんなイヤホンの弊害で、特に若者の間で難聴のリスクが急増しているという。

 世界保健機関(WHO)の世界聴覚報告書によると、現在12~35歳の若者の約50%がパーソナルオーディオデバイスを危険な音量で使用していると報告されており、2050年までに世界の4人に1人にあたる約25億人もの人々が難聴を抱えて生活するだろうと警告している。難聴は、耳が聞こえにくくなるというだけでなく、認知症発症の主な危険因子とも考えられているため、注意が必要だ。

 イヤホンなどの不適切な使用が誘発するとされる「騒音性難聴」は、大きな音を長い期間繰り返し聞くことで、耳の感覚細胞(有毛細胞)が徐々に損傷を受けて引き起こされる難聴のことだ。厄介なことに、一度破壊された有毛細胞は再生することができず、現在のところ、効果的な治療方法もほとんど見つかっていないことから、一度聴力が悪くなると元に戻すのは難しい。イヤホンを手放すことが難しい人は、せめて音量を小さくしたり、長時間使用しないようにするなど、日ごろからの予防を心掛けてほしい。また、周囲の騒音が大きいと聴取音量が大きくなる傾向にあるそうなので、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを使用するのも良いかもしれない。

 とはいえ、それだけでは不安だという人もいるだろう。また、ノイズキャンセリング機能付きイヤホンの使用によって、事故や事件などのトラブルに見舞われるケースが増えているとも言われている。音楽を気軽に楽しみながら、騒音性難聴を予防したり、進行を遅らせたりする効果的な手段はないものだろうか。

 そんな中、意外な伝統食に騒音性難聴の抑制効果を示す可能性が明らかになり、話題となっている。その意外な伝統食とは、蜂の幼虫、いわゆる「蜂の子」だ。昆虫を食べることに抵抗感のある人も多いかもしれないが、「蜂の子」は古来よりルーマニア、タイ、メキシコ、エクアドルなど多くの国で貴重なたんぱく質等の栄養源として食されてきた伝統食だ。日本でも全国各地の郷土料理などに蜂の子を使ったものは珍しくない。また、最近では摂取しやすいようにサプリメントやカプセル状に加工されたものも販売されている注目の健康素材でもある。

 そんな「蜂の子」について、蜂由来の健康食品の専門家である株式会社山田養蜂場の自社研究所、山田養蜂場健康科学研究所と、農研機構の大池秀明上級研究員との共同研究にて、酵素分解蜂の子が、継続的な騒音による難聴モデルの聴力低下に対して抑制効果を示す可能性が明らかになった。この研究成果は、今年3月に開催された「日本農芸化学会 2025 年度大会」でも発表され、同学会において一般演題 1786 件の中から選定された 30 演題に贈られるトピックス賞を受賞している。トピックス賞は大会実行委員会および広報委員会が選定した、学術的重要性および社会的インパクトの高い研究に与えられる賞とのことなので、それだけ、今回の同社らの研究結果が業界の専門家たちの中でも興味深いということなのだろう。

 お気に入りの音楽を聴くことは、心身を健やかにしてくれる。そんな音楽をいつまでも心地よく聴いて楽しめるよう、ボリュームはほどほどに抑えて、耳の健康には若い内から十分に気を付けていただきたい。(編集担当:藤原伊織)