日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会、日本自動車輸入組合が発表した、2024年度(2024年4月〜2025年3月)の新車販売統計が出揃った。
それによると2024年度の国内新車販売(登録車と軽自動車の合計)は457万5705台、前年同期比101.0%と3年連続で前年実績を上回った。年度前半はトヨタやダイハツの認証不正の影響で生産が落ち込んだが、各社が秋に発売した新モデルもおおむね好調で、後半回復に向かい、年明けもダイハツやトヨタが伸長したため、通期で登録車、軽自動車とも前年実績を上回った。ただ、500万台超だったコロナ禍前の水準には届いていない。
また、日本自動車輸入組合が発表した2024年度の新車輸入販売台数によると、外国メーカーの電気自動車(EV)は、前年度比4.5%増の2万4868台、過去最高を記録した。欧米や中国のメーカーが新モデルを投入するなどで、販売を伸ばした。
外国メーカーの輸入車全体に占めるEVのシェアは10.8%となり、初めて1割を超えた。米テスラ、独BMWのEVが堅調で、中国の比亜迪(BYD)も存在感を示した。
ただ、ガソリン車などを含めた輸入車全体の販売台数は、前年同期比6.0%減の23万230台だった。
■□■□ 2024年度国内車名別売上ランキング ■□■□
(単位:台)
01)ホンダN-BOX 210,768( 96.5%)*
02)トヨタ・ヤリス 171,919( 93.6%)
03)スズキ・スペーシア 168,491(126.3%)*
04)トヨタ・カローラ 165,448(110.0%)
05)ダイハツ・タント 122,358( 98.0%)*
06)トヨタ・シエンタ 116,368( 94.8%)
07)日産ノート 96,934( 99.9%)
08)ホンダ・フリード 90,808(121.6%)
09)スズキ・ハスラー 89,691( 97.0%)*
10)トヨタ・アルファード 87,962(167.7%)
11)トヨタ・ルーミー 84,312(109.9%)
12)日産セレナ 81,765( 96.4%)
13)トヨタ・プリウス 80,212( 74.7%)
14)スズキ・ワゴンR 75,800(103.3%)*
15)トヨタ・アクア 74,849(111.9%)
16)トヨタ・ノア 73,721( 84.2%)
17)トヨタ・ヴォクシー 72,700( 90.4%)
18)ホンダ・ヴェゼル 71,120(101.6%)
19)日産ルークス 68,989(103.0%)*
20)トヨタ・ライズ 68,134(126.7%)
※カッコ内は前年比 *印は軽自動車
車名別2024年度ランキングは別表のとおりで、4年連続でホンダの軽乗用車「N-BOX(エヌボックス)」がトップだった。N-BOXの2024年度における販売台数が21万0768台となり、登録車を含む新車販売台数において第1位を獲得した。前述のとおり2024年度の新車販売台数において4年連続、軽四輪車新車販売台数においては10年連続首位獲得となる。登録車ではトップは不動のトヨタ・ヤリスで、トヨタ車はトップ20に半数の10車種がランクインし、強さを見せつけた。
表には現れていないが、国内EVナンバー1は軽自動車15位の日産サクラで、年度販売2万0832台。が、前年同期比61.1%と前年実績を大きく割り込んでいる。
サクラはガソリン車の軽自動車ターゲットした幅広い顧客層ではなく、おもに買い物など日常の移動手段として活用する顧客。いわば“ゲタ車”としての用途がメイン。多くは自家用車複数台所有が基本で、一戸建てに充電設備が設置できる顧客をターゲットとしてきたわけで、そうした意味で、むしろこれまで“売れすぎ”だったといえる。すでに「必要な層に行き渡ったことが、マイナスの大きな要因」だともいえそうだ。(編集担当:吉田恒)