NISSAN、苦境に喘ぐもチャレンジ精神は健在 激戦区スーパーハイトワゴン市場に挑む「ROOX」

2025年09月20日 11:33

NISSAN ROOX

モデルチェンジした日産ルークス NMKV(日産と三菱自が設立した軽自動車事業を企画提案する合併会社)のマネジメントのもと開発され、三菱自の水島製作所で生産

 日産自動車は9月19日、8月に画像&情報を先行発表していた軽自動車「ROOX(ルークス)を正式発表した。なお、受注受付は9月19日から始まっている。

 現在、軽自動車市場においてもっとも盛り上がりを見せているのが、ダイハツのタントが先鞭をつけた全高が1700mmプラスのスーパーハイトワゴンと呼ぶカテゴリーだ。当然、各メーカーとも魅力的なモデルを送り込み、ホンダN-BOXを筆頭に群雄割拠の様相を呈している。

 そこに苦境に喘ぐ日産が強力なモデルを送り込んできた。新型ルークスである。新型は先代同様、NMKV(日産と三菱自が設立した軽自動車事業を企画提案する合併会社で、生産能力は無い)のマネジメントのもと開発され、三菱自の水島製作所で生産される。

 新型の特徴は、クラストップレベルの広い室内空間、そして充実した先進安全装備などが挙げられる。ホイールベース2495mmは、N-BOXの2520mmにはおよばないものの、2315mmの室内長は、ライバル勢を上回るクラスナンバーワン。先代よりもAピラーを立てて細くすることで、斜め前方の見やすさも向上した。後席スライドドアの開口幅も、先代同様クラストップとなる650mmを確保しており、優れた乗降性を保っている。

 ADAS(先進安全装備)で注目すべきは、前後左右に装着した4つのカメラを使った3D機能付き「インテリジェント・アラウンドビューモニター」だ。 4個のカメラが撮った映像を曲線座標マップで処理して3D画像に変換。車両周辺を8方向からとらえることで周囲の障害物を確認できる。

 そのほか多彩なシートアレンジ、豊富な収納スペース、高められた静粛性、スマホなしでグーグル機能を使えるインフォテイメントシステムなど、多くの魅力を備えた新型ルークス。N-BOXの牙城に挑む。

 新型「ルークス」は、エクステリアに「かどまる四角」をモチーフとしたデザインや日本の伝統的な建築様式である「唐破風(からはふ)」にインスピレーションを受けた新たな2トーンカラーを採用した。

 インテリアはリビングルームのような心地よい空間を再現した。また、多くの先進運転支援技術を搭載し、室内空間、走行性能、使い勝手など全方位で進化させ、従来の軽自動車の常識を打ち破る、まったく新しい価値を提供する。

 新型「ルークス」全国希望小売価格(消費税込み)はNAエンジン仕様車が162.7万円~210.54万円(いずれもFFモデル)。ターボエンジン仕様車が215.93万円~224.95万円(FF車)。4WD仕様車は約15万円強のアップとなる。(編集担当:吉田恒)