トヨタ自動車は、BEVのSUV「bZ4X」を一部改良し、10月9日から発売したと発表した。bZ4Xはトヨタ初の量産EVで、フル充電で走れる距離を従来型の3割オーバーとなる最大746kmに伸ばした。
同日発表となった日産の新型BEV「リーフ」とオーバーラップする航続距離だ。駆動用車載電池の総電力量を増やすとともに、駆動部品によるエネルギー損失を減らして航続距離を伸ばした。
具体的な改善ポイントを拾ってみると、電動アクスルの小型化・形状最適化などにより大幅に出力を向上させ、0-100km/h加速5.1秒を実現した。また、電動パワーステアリングのギアボックスをボディに直結させることでステアリングのダイレクト感を向上させている。
また、サスペンション、ダンパーなどのチューニングにより、乗り心地と操縦安定性を向上させた。パドルシフトで回生ブレーキの減速度を4段階で調整可能にし、BEVならではの操る楽しさを引き上げた。4WD車の走行制御・4輪駆動制御のレベルアップにより、走破性をアップ。フロントドアへのアコースティックガラスの採用などにより、室内静粛性を飛躍的に改善した、などが挙げられる。
希望小売価格は従来比で50万~70万円下げ480.0万~600.0万円とした。この辺りも日産の新型BEV「リーフ」を意識してオーバーラップする設定に思える。
同時にトヨタは家庭向けのトヨタ製EV充電器(出力6kW)を発売した。価格は約20万円。自社製充電器をラインアップに加えて、BEVやプラグインハイブリッド車(PHEV)の販売強化を狙う。(編集担当:吉田恒)