国内主要自動車メーカーが2026年度上半期(2025年4月~9月期)の決算を発表した。ここでは目立った企業の目立った数字を順次追っていこう。今回はトヨタ自動車と何かと話題の経営再建途上の日産自動車だ。
国内だけで無くグローバルでもトップを疾駆するトヨタ自動車が5日発表した2025年9月中間決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比81.4%の2兆56億円だった。中間決算としては2年連続の減益となった恰好だ。売上高は前年同期比105.8%の24兆6307億円で、過去最高を更新した。
既報のとおり世界販売台数は478.3万台と、前年同期比105.0%と堅実に増加した。トランプ米政権が繰り出す関税が心配された米国では、ハイブリッド車(HEV)などが売上を牽引し、認証不正問題などで生産が滞った昨年をリカバリーし国内販売も堅調だった。ただし、トランプ米政権による高税率関税が営業利益をおよそ9000億円のマイナス要素となったのも間違いない。しかしながら、最終的なもうけを示す純利益は前年同期比93.0%の1兆7734億円を確保した。
いっぽう、苦境に喘ぎつつも経営再建を急ぐ日産自動車が6日発表した2025年9月中間決算は、純損益が2219億円の赤字(前年同期は192億円の黒字)だった。本業である自動車事業の不振や、トランプ米政権の関税も影響し、売上高は前年同期比93.2%、5兆5786億円だった。営業損益は276億円の赤字(前年同期は329億円の黒字)だった。
2026年3月期決算の業績見通しは、売上高が前年比7.4%減の11兆7千億円、営業損益は2750億円(前年は697億円の黒字)とした。通期の営業損益が赤字になれば、新型コロナ禍で世界的に景気が低迷した21年3月期以来、5年ぶりとなる。
そして日産は、横浜市にある本社ビルを970億円で売却すると発表した。今後は賃貸契約を結び、セールアンド・リースバック方式で使用を続ける。売却先は台湾の部品メーカーが出資する会社で、特別目的会社(SPC)のMJI(東京・中央)。米投資ファンドKKR系とみずほ不動産投資顧問が組成した私募ファンドで、台湾系の自動車部品メーカーの敏実集団(ミンスグループ)が主に出資する組織だ。
日産は、この取引でおよそ739億円の特別利益を計上する見込みだ。(編集担当:吉田恒)













