国内ITサービス市場、4年ぶりにプラス成長

2013年03月06日 09:37

 IDC Japanが、情報システムの構築、導入、運用などを含む国内ITサービス市場予測を発表した。2012年の同市場は前年比1.9%増の4兆9369億円と、4年ぶりにプラス成長を記録。2013年以降も成長を続け、2017年には5兆3442億円にまで成長すると予測されている。

 2008年後半以降の景気後退や東日本大震災のために延伸されていた支出の再開が成長をけん引。主に製造業を中心とした投資が回復、スマートフォン需要に伴うシステム増強のための投資があったほか、業種を問わずプライベートクラウドを利用したシステム構築や、データセンターアウトソーシングの利用拡大が市場の成長に寄与したという。また2013年以降もプラス成長を継続。その牽引役は製造業から金融業などの非製造業へと変わり、クラウドやビッグデータなど「第3のプラットフォーム」に関連する支出/投資は増加すると予測されている。一方、2012年に見られた「延伸されていた支出の再開」は2013年半ばには一巡することが懸念され、2014年以降の国内ITサービス市場は成長が鈍化する可能性があるとのこと。

 2012年~2017年の年間平均成長率は1.6%と予測されるなど、短期的には回復傾向にある国内ITサービス市場。しかし安定成長とは言えず、懸念材料も少なくない為、生き残りをかけた競争は益々激しくなると予測されている。この市場では、スマートフォンやタブレット端末に関連する市場の好調さばかりがクローズアップされるが、楽観視出来きる市場とは言えないようである。(編集担当:井畑学)