ほくほくFG決算、利益5割増 広域地銀モデルの強み鮮明

2026年05月12日 14:04

今回のニュースのポイント

ほくほくフィナンシャルグループの2026年3月期決算は、経常利益が前期比56.4%増の807億円 、最終利益が同50.7%増の588億円 と過去最高圏の大幅増益を記録しました。金利上昇に伴う資金運用収益が1,962億円と、前期から約495億円拡大したことが収益を牽引。預金利息増などの調達コストも上昇していますが、金利正常化局面への転換が収益構造を大きく変え始めています。

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 ほくほくフィナンシャルグループ(FG)が11日に発表した2026年3月期決算は、経常収益が前期比32.0%増の2,774億68百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同50.7%増の588億99百万円と、過去最高益を更新しました。日銀の金融正常化に伴う金利正常化局面への転換が、地銀の収益力の改善を後押ししている実態が鮮明になっています。

 好決算の主因は資金運用収益の急増です。貸出金利息や有価証券利息配当金が増加したことで、運用収益は1,962億85百万円と、前期から約495億55百万円増加しました。預金利息などの資金調達費用も約205億円増加しましたが、預貸金利ざやの拡大がこれを大きく上回り、収益向上を支えました。

 資産サイドでは明確な戦略転換が見られます。決算短信でも、長期債券等の金利リスク管理を進める一方、事業性貸出や個人ローンを拡大した結果、貸出金が前期末比2,393億円増加し、有価証券が2,061億円減少したと説明しています。利回り低下リスクのある債券を圧縮し、より収益性の高い融資へシフトする「攻守」の組み換えが加速しています。

 北陸銀行と北海道銀行を中核とする同FGは、広域展開型の地銀グループとして、他地域で再編機運が高まる中で存在感を増しています。収益力の回復は、今後の地銀再編の行方にも影響を与える可能性があります。

 株主還元も強化され、2026年3月期の年間配当は前期の50円から110円へ大幅増配。次期2027年3月期はさらに40円増配の年間150円を計画しています。加えて当期中に約315億円の自己株式取得を実施しており、ROEは8.66%まで改善しました。

 同FGは、金融と非金融を融合させた第6次中期経営計画「NEXT STAGE」を推進しています。金利上昇の追い風を単なる一時的な利益増に留めず、広域ネットワークを活かし、持続可能な課題解決型モデルを構築できるかが、今後の競争力を左右することになりそうです。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)