今回のニュースのポイント
オリックスの2026年3月期決算は、当社株主に帰属する当期純利益が前期比27.2%増の4,472億円となり、過去最高水準を更新しました。再生可能エネルギー事業の売却益や保険・投資事業が成長を牽引した一方、米国事業は減損や信用コスト増加により利益が98%減少しました。リース枠を超え、インフラや投資を軸とした巨大複合企業への転換が鮮明です。
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オリックスが11日に発表した2026年3月期決算は、営業収益が前期比15.9%増の3兆3,308億円、当社株主に帰属する当期純利益は同27.2%増の4,472億65百万円となりました。ROE(自己資本当期純利益率)は10.4%に上昇し、適切なポートフォリオの入れ替えが利益成長を牽引する「資産運用型経営」の強みが鮮明になっています。
かつてリース・融資が中心だった同社の利益構造は、いまや再生可能エネルギー、企業投資、生命保険、海外資産運用など、多様なアセットクラスからの収益に支えられるハイブリッド型の事業構成へ変化しています。
今期、増益の主役となったのは環境エネルギーセグメントです。持分法適用会社であったGreenko Energy Holdings株式の一部譲渡に伴い、831億35百万円の売却益を計上したことなどにより、セグメント利益は前期の49億23百万円の損失から1,157億72百万円へと大幅に改善しました。また、企業投資を担う事業投資・コンセッションも、持分法投資損益の増加などを背景に前期比27%増の1,256億円を稼ぎ出しています。これら2セグメントだけで、セグメント利益合計の約3分の1を確保する計算です。
さらに、保険セグメントも38%増の1,028億円と好調でした。生命保険料収入の増加に加え、運用環境の改善による運用益の拡大が収益を押し上げ、安定的な収益源としての地位を固めています。
一方で、グローバル投資企業としてのリスクも露呈しました。米国事業(ORIX USA)は、米金利の高止まりや不動産市況の調整を背景に、営業権および無形資産の減損527億円を計上。さらに信用損失費用も増加した結果、利益は前期の399億円から9億円(同98%減)へと急落しました。
今後の成長に向けた布石も打たれています。同社は2026年4月、連結子会社であるオリックス銀行の全持分を譲渡することを決定しました。これにより2027年3月期には、約1,242億円(税引前)の売却益を計上する見込みです。このように成熟した事業を売却し、成長分野へ再投資する「資産入替戦略」こそが、同社の持続的な利益成長の源泉となっています。
株主還元についても、2026年3月期の年間配当を156.10円とし、当期中に1,500億円規模の自己株式取得を実施するなど積極姿勢を維持しています。来期は純利益5,300億円を掲げる同社にとって、失速した米国事業の立て直しと、さらなるインフラ投資の収益化が今後の収益成長を左右する焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













