清水建設決算、純利益91%増 受注高1.8兆円超、再開発とデータセンター需要が牽引

2026年05月12日 16:37

今回のニュースのポイント

清水建設の2026年3月期決算は、建築採算の改善により営業利益が前期比67.1%増の1,186億円、純利益が同91.8%増の1,266億円となりました。受注高は1兆8,981億円と前期比35.2%増を記録し、特に不動産業向けが前期比171.5%増と急増しています。都市再開発や国土強靱化、データセンター等の情報基盤を支える「社会インフラ企業」への転換が鮮明です。

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 清水建設が12日に発表した2026年3月期決算は、売上高2兆578億2百万円(前期比5.8%増)、営業利益1,186億69百万円(同67.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,266億17百万円(同91.8%増)と、大幅な増収増益となりました。

 利益急回復の主因は国内建築工事の採算改善です。選別受注や価格転嫁が進んだ結果、国内建築の売上総利益率は前期の7.6%から11.6%へと大幅に向上しました。また、当期は上場株式39銘柄の売却により投資有価証券売却益881億円を計上したほか、新規連結に伴う負ののれん発生益59億27百万円もあり、一時的な要因も最終利益を大きく押し上げました。

 受注面では、2026年3月期の受注総額が1兆8,981億76百万円と前期から3割以上増加しました。内幸町や赤坂の大型再開発、リニア中央新幹線のトンネル工事に加え、データセンター等の需要を含む不動産業向け受注が4,092億円と前期の約2.7倍に急増しています。情報基盤や国土強靱化を支える案件の盛り上がりが、次期繰越工事高2兆6,369億円という強固な収益基盤に繋がっています。

 一方、深刻な人手不足や労務費上昇に対し、一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費総額を231億56百万円まで積み増しました。施工自動化やBIM活用など建設DXへの投資を継続し、省人化と高付加価値化の両立を急いでいます。

 2027年3月期も売上高2兆3,100億円、営業利益1,530億円と増益を見込み、年間配当は前期の38円から72円へと大幅に増配しました。単に建物を建てるだけでなく、巨大な電力・冷却設備を備えた情報基盤や防災インフラを構築する「社会インフラ企業」への移行を定着できるかが今後の焦点です。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)