朝日放送HD、純利益78%増 万博とコンテンツ事業が利益を押し上げ

2026年05月12日 14:50

今回のニュースのポイント

朝日放送グループHDの2026年3月期決算は、万博関連や配信等のコンテンツ収入が伸長し、純利益が前期比78.1%増の44億円となりました。約36億円の特別利益も最終利益を押し上げました。一方で来期は特需の剥落やコスト増により39.4%の最終減益を予想しており、放送外収益の底上げが継続的な課題です。

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 朝日放送グループホールディングス(HD)が11日に発表した2026年3月期決算は、売上高が前期比4.4%増の959億98百万円、営業利益は同83.8%増の47億63百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同78.1%増の44億56百万円と、大幅な増収増益となりました。

 大幅増益の土台となったのは、主力の「放送・コンテンツ事業」の伸長です。テレビのスポット・ローカルタイム収入の回復に加え、地元局の強みを活かした大阪・関西万博関連のプロモーション収入や、インターネット配信を含むコンテンツ収入が拡大。同セグメントの営業利益は前期比61.5%増の45億60百万円に達しました。

 さらに、固定資産売却益24億35百万円や事業譲渡益7億20百万円など、約36億円にのぼる特別利益を計上したことも、最終利益の押し上げに大きく寄与しました。放送外の「ライフスタイル事業」においても、住宅展示場運営や通信販売、ゴルフ場運営などが堅実に推移し、売上高138億48百万円(前期比3.4%増)、営業利益2億45百万円(同3.0%増)と微増を確保しています。

 財務面では、営業活動によるキャッシュ・フローが77億79百万円の収入(前期は52億99百万円)となり、現金及び現金同等物の期末残高は305億86百万円まで積み上がりました。これを受け、年間配当は前期の13円から33円へと大幅な増配を決定しています。

 一方で、次期2027年3月期の連結業績予想については、売上高923億円(前期比3.9%減)、純利益27億円(同39.4%減)と慎重な見通しを示しました。会社側は、万博関連収入や資産売却益といった一時的要因の剥落に加え、制作費や人件費などコンテンツ投資コストの増加、広告市況の不透明感を織り込んでおり、放送外収益やデジタル領域でどこまで収益を底上げできるかが焦点となります。

 今回の決算は、放送事業が万博特需を取り込みつつ、コンテンツやライフスタイル事業といった「非放送分野」が収益を支える構造を鮮明にしました。構造的なテレビ離れが進むなか、一時的な追い風に頼らず、いかに持続可能な「総合コンテンツ企業」へと転換できるか、持続的な収益基盤を構築できるかが焦点です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)