京急決算、純利益13%増 羽田空港と不動産が利益成長を牽引

2026年05月12日 15:04

今回のニュースのポイント

京急の2026年3月期決算は、羽田空港駅の利用回復やホテル事業の好調、さらに拠点開発に伴う約197億円の固定資産売却益が寄与し、純利益が前期比13.1%増の274億円となりました。本業はコスト増等で営業減益ですが、品川・羽田・三浦を核とした沿線開発や、私募リート準備など不動産を軸とした収益構造への転換が鮮明です。

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 京浜急行電鉄(京急)が11日に発表した2026年3月期決算は、営業収益が前期比3.5%増の3,041億92百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同13.1%増の274億92百万円となりました。営業利益は335億53百万円(前期比5.9%減)となりましたが、品川駅西口の国道用地譲渡などによる固定資産売却益197億51百万円が最終利益を押し上げました。

 交通事業では羽田空港駅を中心とした輸送人員の増加が増収に寄与しました。特に羽田空港第1・第2ターミナル駅の輸送人員は前期比6.1%増と好調で、全駅でのタッチ決済導入などインバウンド対応が功を奏しています。ホテル・旅館を含むレジャー・サービス事業も、京急EXホテルの客室単価・稼働率上昇により、営業利益は55億61百万円(同12.4%増)と大きく伸長しました。

 一方、不動産事業は横浜シンフォステージの稼働率上昇や「BASEGATE横浜関内」の開業など賃貸収入は伸びたものの、前期の事業用地売却の反動により、セグメント利益は46億80百万円(同32.4%減)となりました。しかし、グループでは事業用地取得と売却を組み合わせた「不動産回転型ビジネス」を推進しており、私募リート組成に向けた資本提携など、将来の安定収益確保に向けた投資を進めています。

 京急グループ第20次総合経営計画では、鉄道事業の次世代型オペレーションと不動産回転型ビジネスを両輪に「沿線価値の最大化」を掲げています。品川・羽田・三浦半島といった戦略拠点を核とした沿線経済圏づくりは、2027年3月期に営業利益34.1%増という強気な予想の背景にもなっています。

 財務面では、年間配当を前期の26円から46円へ大幅増配し、上限300億円の自己株式取得も決定しました。人口減少を見据え、移動需要だけに頼らず不動産・観光を含めた収益の多角化を定着できるかが焦点です。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)