フジHD、営業赤字87億円 不動産・観光が利益支える構造鮮明

2026年05月12日 16:42

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フジHDの2026年3月期決算。営業赤字87億円に転落。メディア事業が308億円の赤字となる一方、都市開発・観光が251億円の利益で支える構造

今回のニュースのポイント

フジHDの2026年3月期決算は、フジテレビの広告収入が27%減少したこと等により、営業損益が87億円の赤字に転落しました。一方、物件売却が好調な都市開発・観光事業は251億円の利益を上げ、さらに500億円の株売却益を計上したことで最終利益は64億円を確保。放送から不動産・観光へ収益の主軸が移る構造が鮮明です。

本文

 フジ・メディア・ホールディングス(フジHD)が12日に発表した2026年3月期決算は、売上高が前期比0.2%増の5,518億65百万円、営業損益は前期の182億93百万円の黒字から87億66百万円の赤字に転落しました。経常損益も28億7百万円の赤字となりましたが、特別利益に投資有価証券売却益500億21百万円など計504億29百万円を計上したことで、親会社株主に帰属する当期純利益は64億99百万円を確保しました。

 セグメント別では、メディア・コンテンツ事業全体の売上高が前期比13.2%減の3,508億89百万円となり、308億35百万円のセグメント損失を計上しました。フジテレビにおける地上波広告収入の落ち込みに加え、ポニーキャニオンでのアニメ制作費用に係る評価損計上が響きました。一方、都市開発・観光事業は売上高1,934億95百万円(同37.2%増)、利益は251億85百万円(同2.8%増)と大きく伸長 。サンケイビルの物件売却やホテルの好稼働がグループ利益を強力に下支えしています。

 財務面では、ROE改善を目指す「改革アクションプラン」の一環として2,350億円を上限とする自己株式取得を実施し、当期の自己株取得支出は2,341億62百万円に達しました。借入金や社債を活用したレバレッジの導入により、自己資本比率は前期末の56.8%から37.3%へと意図的に引き下げられています。

 2027年3月期について会社側は、フジテレビの広告収入の回復に加え、FODや映画・イベント等の伸長 、不動産賃貸の堅調な推移を見込んでいます。これにより、売上高6,257億円、営業利益401億円、純利益261億円と、全段階で当期実績を上回るV字回復を見込んでいます。

 地上波広告モデルの限界が露呈するなか、テレビ局という枠組みを超えた「メディア・不動産複合企業」への構造転換を定着できるかが今後の焦点です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)