今回のニュースのポイント
警察庁が公表した2026年4月末時点の特殊詐欺統計(暫定値)によると、特殊詐欺全体の認知件数は前年同期比2,965件増の1万4898件、被害額は同69.8億円増の1,260.0億円に達し、依然として拡大基調にあることが分かりました。今回の統計では、警察庁が手口の分類項目を大幅に再編し、「SNS型投資・ロマンス詐欺」を特殊詐欺に正式に位置付けました。なかでもSNS型投資詐欺の被害額は592.5億円に達し、全体の約47%を占めており、同手口の被害拡大が目立つ結果となりました。
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国内の特殊詐欺被害において、被害額の約半分をSNS型投資詐欺が占める構図が鮮明になっています。警察庁が公表した2026年4月末時点の特殊詐欺の認知・検挙状況(暫定値)によると、期間中の特殊詐欺全体の認知件数は1万4898件となり、前年同期に比べて2,965件(24.8%)増加しました。また、被害総額は1,260.0億円に達し、前年同期比で69.8億円のプラスとなるなど、依然として拡大基調が継続している実態がみられます。
今回の統計において注目されるのは、手口別の被害状況の変化です。警察庁は2026年から統計の整理方法を刷新し、それまで別個に集計されるケースのあった「SNS型投資詐欺」や「SNS型ロマンス詐欺」を特殊詐欺の一手口として正式に位置付けたほか、被害が多発している「ニセ警察詐欺」を独立した区分に設定するなどの再編を行いました。この結果、SNS型投資詐欺の被害額は592.5億円となり、特殊詐欺全体の被害額(1,260.0億円)の約47%を占めている実態が明らかになりました。
手口別の具体的な数値を見ると、SNS型投資詐欺の認知件数は4,381件と前年同期比で2,708件(161.9%)急増しており、被害額は前年同期から209.5億円増となる592.5億円に達しています。これに対し、かつて特殊詐欺の代表格であった「オレオレ詐欺」の被害額は41.7億円(認知件数1,130件)にとどまっています。SNS型投資詐欺の被害額がオレオレ詐欺を大きく上回る規模へ拡大しているほか、SNS型ロマンス詐欺の被害額も171.8億円と高水準で推移しており、SNS上で関係を構築して資金を騙し取る手法のデータが明確な数値として現れています。
資金の交付形態、すなわち被害者から詐欺グループへ金銭が移動するプロセスのデータを見ても変化がみられます。交付形態別の推移データを検証すると、金融機関への振り込みを行わせる「振込型」が主要な経路となっており、月別の発生推移でも高い水準を維持しています。この振込型の内訳では、ATM(現金自動預払機)を介した手続きを上回る規模で、ネットバンキング(インターネットバンキング)を悪用した送金被害が高水準で推移しています。さらに、足元では暗号資産(仮想通貨)を用いた「暗号資産送信型」による被害も一定数存在していることが統計上整理できます。
今回の統計区分の見直しによって、手口ごとの被害実態がより把握しやすくなりました。実際に、認知件数においてオレオレ詐欺や預貯金詐欺(323件)が前年同期比で減少傾向をみせるなか、新たに独立区分となったニセ警察詐欺が3,058件、被害額325.2億円に達しています。こうした統計区分の見直しからは、警察庁がSNS型詐欺やニセ警察詐欺の動向を重視していることがうかがえます。
これに伴い、今後の防犯対策のあり方も変化を求められています。これまでは高齢者宅の固定電話に対する「国際電話の利用休止手続き」などが一定の防犯実績(累計約99万2600件)を上げてきましたが、統計によると、警察庁が推奨するスマートフォン向けの詐欺対策アプリのダウンロード総数は暫定値で約78万7400件にとどまっています。今後の防犯においては、従来の固定電話対策に加え、同アプリの普及状況も今後の動向をみる上で一つの指標となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













