3月11日の大震災以降、国内では様々なイベントなどの自粛が相次いで発表された。しかし、被災地以外の場所で「不謹慎」という意味合いで闇雲に自粛をする傾向は、人々の士気を低下させるばかりでなく、今後の日本経済にまで影響が及ぶという考えも日を追うごとに大きくなり、「日本を活気づける」という意味を込めて開催する方向へと流れは変わっていった。
なかでも日本の各地で行われる夏の風物詩、祭りや花火大会などは、一時はほとんどの地域で自粛を検討されたが、東北を筆頭に開催する方向へと進んでいった。7月16・17日には宮城県仙台市で、東北6県から青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、盛岡さんさ踊り、山形花笠まつり、仙台七夕まつり、福島わらじまつりが一堂に会したイベント「東北六魂祭」も盛況のうちに開催。脈々と受け継がれる日本古来の文化の伝承である”祭り”で日本を盛り上げようと動きが活発化しているようだ。
しかし実際は昨今の不況により、近年は多大な資金を必要とする祭りや花火大会は年々開催することが難しくなっていたのも事実。各自治体の力だけでは不足を生じるため企業支援に頼ることも多い。これまでも各企業、様々な方法で支援をしているが、その中でも飲料業界のダイドードリンコは、地域活性化の意味も込めて日本各地に伝承されている”祭り”を毎年数十カ所決めて支援する企画「日本の祭り」を2003年よりスタートさせ取り組んできた。
9年目を迎えたこの取り組みは、テレビ番組の放送をはじめ、ひとことパフォーマンス動画、ウェブサイトなど、各メディアを通じて同社が支援する「祭り」をサポート。今年も恒例となった番組「ダイドードリンコスペシャル」で全国32の祭りを紹介しているという。さらの同社のホームページにも「日本の祭りを訪ねて」というコーナーも設置し、各地域の祭りや花火大会を積極的に紹介している。
今年、支援する祭りのなかには青森県の「青森ねぶた祭り」、福島県の「飯坂けんか祭」、宮城県の「塩竃みなと祭」など東北で開催される祭りもあるという。「年齢や性別、肩書きなどすべての境界線をこえ、無心のエネルギーが集結するのが祭り。すべての人がひとつになって夢中になれる唯一の文化が祭りです。いま日本に必要なのは、そんな底知れぬ生命力に満ちた祭りのパワーと一体感そして人と人との心の絆なのかもしれません。私たちは祭りを通じて地域の絆づくり、活性化に役立ちたい」とダイドードリンコ。今後も同社は祭りを元気にすることは、日本を元気にすることにつながるということをモットーに、「日本の祭り」企画に取り組んでいく。