自販機の輪番節電が開始、その反応は

2011年07月19日 11:00

 社団法人 全国清涼飲料工業会は、東京電力管内の自動販売機の夏季ピーク時電力について、自主行動計画により最大使用電力を前年比25%以上削減すると発表している。そのなかの対策の1つでもある、時間をずらしながら冷却機能を止める自動販売機の輪番節電に対する取り組みも始まっている。

 同工業会によると、所属会社の自動販売機は現在約87万台あり、使用電力は最大約26万kWとなる。これは東京電力の本年度電力供給目標5500万kWの0.5%に相当するという。

 そこで同管内に25万台の自動販売機を保有する日本コカコーラー、15万台を保有するサントリー、9万台を保有するダイドードリンコをはじめとする工業会所属16社は、9時から20時までのピーク時間帯に、自社の自動販売機を2から3のグループに分け冷却運転を輪番で停止。これにより、数台に1台は冷却のためのコンプレッサー機能が停止している状態となり、夏場には絶対不可欠な水分補給のための飲料提供を行いながらも、ピーク時間内における使用電力を削減する方向にまとまっている。

 これまでも自動販売機は夏のピーク期間である7月から9月の13時から16時の間、冷却機能の停止を行ってはいるが、大々的に消費者に伝えてこなかったことで、あまり認知されていなかった。今期は3から4時間、冷却を停止する時間が延びたこと、さらに冷却の輪番停止をニュースなどが大きく取り上げられたこともあり、「冷えていない商品が出てくるのでは」という懸念の声が一部で話題となっていたが、実際開始してからは「ぬるい」といった声はほとんど上がっていない。冷却停止までの時間、冷やしこむことで缶飲料自体が機内で保冷され「違和感なく飲めている」というのが大半のようだ。

 この夏、自動販売機を有する各社は、冷却機能の輪番停止に加え、一部の自動販売機の販売停止、24時間の照明消灯などの節電を積極的に行い25%の電力削減の実施を目指すがその一方、熱中症の予防対策のための水分補給をはじめ、手軽に飲料を購入できる「ライフライン」としての機能を果たすことが、飲料自販機の重要な使命と考えている。