22年中の熱中症による死者1718人

2011年06月27日 11:00

 気温が30℃を超える猛暑が続く中、厚生労働省や環境省では熱中症対策を忘れないよう国民に呼びかけているが、厚生労働省が平成22年の熱中症による死亡者数をまとめたところ、男性が920人、女性が798人と合わせて1718人にのぼり、統計を取り始めた昭和39年以降で最も多かったことが分かった。また、死亡者の79.3%が65歳以上の人たちだった。

 厚生労働省が24日発表した。それによると、熱中症発症の場所別では男性の42.1%、女性の49.6%が家庭(住宅や私邸の中庭、車庫など)で発症しており、農場というのも3.6%あった。女性の死亡者の90.2%までは65歳以上で、男性の場合も69.8%が65歳以上になっていた。

 都道府県でみると、東京(272人)、大阪(139人)、埼玉(124人)、愛知(73人)と大都市で特に多くなっているが、北海道(18人)や青森(20人)、岩手(15人)、宮城(36人)、福島(38人)など北海道や東北地方でも熱中症による犠牲者は少なくなかった。

 環境省によると、最高気温が30℃を超えたあたりから熱中症による死亡者が増え始め、その後、気温が高くなるに従って死亡率が急激に上昇するとしている。このため、日常生活では日陰を歩くように努めたり、朝に打ち水をする、すだれを活用する、日傘を使うなど、暑さをさける工夫をするほか、こまめに水分を取る、急に暑くなる日に注意する、集団生活の場ではお互いに配慮しあうなどを呼びかけている。特に、高齢者においては、のどが渇かなくても水分補給を怠らない、部屋の温度をこまめに測るなどの配慮が求められている。
(編集担当:福角やすえ)