高い経済成長に基づく電力需要の伸びに対して発電容量の増強が急がれているインドネシアにて、今年4月に行われた新規石炭火力IPP国際入札案件の優先交渉権を伊藤忠商事と電源開発が、インドネシアの「PT Adaro Energy Tbk.(以下:アダロ社)」と共同で獲得したことが20日に発表された。
このプロジェクトは、インドネシアの中部ジャワ州に合計出力200万kWの石炭火力発電所を建設し、インドネシア国有電力会社との間で25年間の長期売電契約を締結する、アジア最大規模のIPP事業である。発電燃料にインドネシア産の亜瀝青炭を活用し、環境負荷が少ない超々臨界圧技術を使った大型ボイラー(100万kW×2)をインドネシアにおいて初めて導入する。また、同プロジェクトは、日本政府が掲げる「パッケージ型インフラ海外展開」の取り組みにも沿ったものである。
今回の優先交渉権の獲得に関しては、伊藤忠商事、Jパワー、アダロ社の3社によるグループの、環境負荷軽減技術や高効率石炭火力の運転実績、インドネシアでの経験が高く評価された格好だ。今後3社は、長期売電契約、EPC契約(設計・調達・建設を含むプロジェクトの建設工事請負契約)、インドネシア政府からの許認可取得、融資銀行団との融資契約などの手続きを進め、平成29年2月の商業運転開始を目指す。