上場企業サイト、WordPress重大更新後も5.7%が旧版 GMO調査

2026年10月22日 15:47

画・新型コロナ、賃金相場に影響。ベースアップ予定企業、2割に急減。

オフィスビルが立ち並ぶ都市部の風景。GMOプライム・ストラテジーは2026年10月22日、上場企業3,903社に関連する3万4,039サイトの技術調査結果を発表した。WordPressのセキュリティ更新状況を評価した5,831サイトのうち、5.7%で修正版より前のバージョンが確認された。(資料画像)

今回のニュースのポイント

GMOプライム・ストラテジーは2026年10月22日、日本の上場企業3,903社・34,039サイトを対象とした「日本上場企業Webサイト技術調査 第2回」を発表しました。2026年7月17日に実施されたWordPressの重大なセキュリティ更新から約1か月後の調査(8月16〜17日)において、確認対象5,831サイトの5.7%(332サイト)で修正版より前のバージョンが残存していることが判明しました。また、AIによる学習やデータ利用への拒否明示は2.05%にとどまり、技術基盤の管理やAI対応の遅れといった課題が示されています。

本文
 GMOプライム・ストラテジー株式会社は2026年10月22日、日本取引所グループの公表データに基づく上場企業3,903社に関連する計34,039サイト(公式サイト3,899、関連サイト30,140)を追跡・分析した「日本上場企業Webサイト技術調査 第2回」の結果を発表しました。調査は2026年8月16日から17日にかけて実施され、HTTP(S)応答情報やHTMLコンテンツの自動解析によってWeb資産の最新運用状態を検証したものです。

 調査結果によると、2026年7月17日に公開されたWordPress(ワードプレス)の重大なセキュリティ更新から約1か月が経過した調査時点においても、バージョン評価対象となった5,831サイトのうち5.7%に当たる332サイトで、修正版より前のバージョンが外部から確認されました。

 WordPressの利用実態として、分析対象全34,039サイトのうち34.1%(11,610サイト)でWordPressが確認され、分析対象サイトのおよそ3分の1を占めました。このうちバージョンを抽出できた8,531サイトから、重大更新の適用対象となった7.0系、6.9系、6.8系の計5,831サイトを抽出して更新状況が検証されました。バージョン系列別に見ると、未更新割合は最新に近い7.0系で1.1%にとどまる一方、6.9系では13.7%、6.8系では26.7%に達し、過去のバージョン系列を運用しているサイトほど更新の遅れが目立つ結果となりました。

 調査資料によると、WordPressでは7月17日の重大更新に続き、8月6日と12日にもセキュリティ更新が相次ぎ、4週間で計3回の更新が配信されました。自社サイトのみならず製品・ブランド・採用などの関連サイトを多数管理する企業にとって、更新対象の特定や対応期限の設定、完了確認を迅速かつ継続的に実施する体制が求められています。なお、本結果は外部からバージョン情報が確認された状態を示すものであり、全上場企業サイトの5.7%に直ちに脆弱性や実際の被害が発生していることを意味するものではありません。

 今回の第2回調査では、生成AI(人工知能)のクローラーやデータ取得に対する企業の対応実態も新たに評価されました。全34,039サイトのうち、`robots.txt`を設定してAIによる学習やデータ利用への拒否方針を明示したサイトは697サイトで、全体の2.05%にとどまりました。一方、AI向けに参照を促す情報を案内するファイル形式である`llms.txt`を最低限の形式で確認できたのは1,294サイト(3.80%)でした。調査元では、robots.txtによるクローラーへのアクセス方針の提示と、llms.txtによるAI向け参照情報の案内は目的が異なり、企業として方針を整理した上で、それぞれの手段が意図どおり機能しているか確認する必要があるとしています。

 基盤ソフトウェア(CMS実行環境等)の維持管理においては、過去調査との比較を通じて遅れが浮き彫りになりました。第1回(2026年4月実施)と第2回の両調査でPHPのバージョンを比較確認できた2,195サイトのうち、66.7%に当たる1,465サイトで、公式サポートが終了した状態のまま運用が継続されていました。サポート終了済みのPHP更新には、既存システムとの動作互換性を検証しながら計画的に移行を進める必要があるため、公開設定の変更等に比べて移行スピードに差が出ていると解釈されます。

 また、企業が所有するWeb資産の把握・管理範囲の課題も示されました。第1回調査で特定された企業とサイトの組み合わせのうち、1,117件は第2回調査時点で企業サイトからの直接リンクや記載が確認できなくなっていました。しかし、これらのURLおよび転送先を追跡解析したところ、889件が同一URLで公開を継続し、222件が転送先で公開されていたため、合計1,111件(99.5%)でページが公開状態にあることが判明しました。企業サイトからのリンク削除と関連サイトの実際の公開終了は一致しないケースが多く、管理対象の一覧を定期的に更新・把握する運用の重要性が示されています。

 GMOプライム・ストラテジーは、セキュリティ更新の迅速な適用、プログラミング言語等の計画的な移行、AIを取り巻く技術環境への対応、Web資産の一元的な把握を含めた一連の運用を「変化に追随するWebガバナンス」と位置付けています。技術や環境の変化に応じて、対象や優先順位を判断し継続的な確認を行う管理体制の構築が企業Webサイトの運用に求められています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)