被災者に安らかな日々戻ることを願う 陛下

2013年03月12日 07:04

 天皇陛下は東日本大震災から2周年を迎えた11日、都内の国立劇場で政府主催により営まれた追悼式に皇后陛下とともに出席され、「震災により、かけがえのない命を失われた多くの人々とその遺族に対し、改めて深く哀悼の意を表します」と哀悼の意を表されるとともに「今なお多くの苦難を背負う被災地に思いを寄せ、被災者1人1人の上に1日も早く安らかな日々の戻ることを一同と共に願います」とお言葉を述べられた。追悼式には安倍晋三総理ら関係者約1200人が参列し、犠牲者らの冥福を祈った。また、震災からの復旧・復興へ新たな決意を誓い合った。

 陛下はお言葉の中で「2年前の今日、東日本を襲った巨大地震とそれに伴う大津波により、2万人を超す死者、行方不明者が生じたこと、被災地を訪ねて、ふるさとが痛々しく破壊され、被災者の悲しみはいかばかりかと察せられたこと、厳しい状況の中、気丈に困難に耐え日々生活している被災者の姿には常に深く心を打たれ、これからも常に見守り、この苦しみを少しでも分かち合っていくことが大切だとの思いを新たにしている」と語られた。
 
 そのうえで「厳しい環境の下、専心救援活動に当たった自衛隊、警察、消防、海上保安庁をはじめとする国や地方自治体関係者、多くのボランティア、原発事故の対応に当たった関係者の献身的な努力に対し、改めて深くねぎらいたく思う」と対応に尽力する多くの人らに労いのことばもおくられた。

 あわせて諸外国からの善意、救援活動、被災地に赴いての被災者の激励などにも感謝のことばをかけられた。

 陛下は「この度の津波災害において災害に関し、日頃の避難訓練と津波防災教育がいかに大切であるかを学んだ」とされ「教訓を決して忘れることなく、これから育つ世代に伝えていくことが大切と思う。今後とも施設面の充実と共に、地域における過去の災害の記憶の継承、日頃からの訓練と教育などにより、災害の危険から少しでも多くの人々が守られることを期待している」と語られた。

 また、安倍総理は「持てる力の全てを注ぎ、被災者に寄り添いながら、一日も早い被災地の復興、被災者の生活再建を成し遂げるとともに、今般の教訓を踏まえ、我が国全土にわたって災害に強い強靭な国づくりを進めていくことを固く誓う」と式辞を述べた。(編集担当:森高龍二)