政局巡る動きに一定の結論

2011年06月03日 11:00

 政局を巡る行動は内閣不信任決議案の大差による否決で一定の結論を得た。

 2日の衆議院本会議は自民・公明・たちあがれ日本の3党提出による内閣
 不信任案採決への緊急動議で幕開け。

 午後1時32分過ぎから、大島理森自民党副総裁が菅内閣不信任決議案に
 対する主旨説明を自・公・たちあがれ日本の3党を代表して行った。

 この中で、大島氏は、同日開かれた民主党代議士会で菅総理が震災対策などに目途が立ったら退任すると表明したが、対策の目途が立つのはいつなのか、目途が立たないから辞めるべきでないのか。

 また、辞めると表明をした総理と外交交渉を(相手国は)するだろうか、と即刻辞めるよう求めた。

 その上で、原発事故の初動対策の失敗などを指摘するとともに、震災対策、2次補正への対応、会期延長に対する発言など、総理の対応は「自分(菅総理)の延命のためだ」と批判した。

 また、党内不協和音、党内統率力のなさをあげ、「徳なきあなたでは野党の共感は得られない」。「被災者に寄り添った政策が何ひとつない」など痛烈に批判し「国民を最大不幸社会に導かんとする総理に辞めて頂くため、国家を救う唯一の道」として、内閣不信任決議案を提出することとなった、と約30分にわたり、説明と決議案への賛同を呼びかけた。

 このあと、賛成・反対討論に移り、山井和則民主党国対副委員長が反対討論、石原伸晃自民党幹事長、石井義久公明党幹事長、柿沢未途みんなの党衆議院国対副委員長が賛成討論を行い、この後の採決で、賛成152票,反対293票と内閣不信任決議案は否決された。

 山井氏は反対討論の中で、日本の再生が僅々の課題であり、被災者も(今日の国会の成り行きを)固唾を呑んで見守っている。政争はもういい加減にして、与野党協力して震災復興にエネルギーをと望んでいる、と強調。

 震災復興基本法が審議の最中で、本来なら今日の国会で審議し、参議院に送ることが被災者に応えることではないのか。自公の案(震災復興基本法案)に大幅譲歩し、成立の目途が立ったのに、なぜ、不信任案なのか、被災者に対し、あまりにも無責任。今、権力闘争をやっている場合か、と自公の対応に大きな疑問を呈した。その上で、与野党ひとつになって震災復興に取り組もう、特に野党のみなさん、よろしくお願いしますと熱く訴えた。(編集担当:福角忠夫)