このまま続くのか、西高東低のマンション市場

2013年03月15日 09:30

 不動産経済研究所が、2月の首都圏及び近畿圏のマンション市場動向を発表。これによるとマンション市場は、依然として近畿圏の方が好調という状況が続いているようである。

 2月の近畿圏における発売は、前年同月比51.8%増、前月比131.8%増となる2116戸で、5年ぶりの2000戸超えとなった。一方、首都圏の2月の発売は3491戸で、前月比は102.8%増となっているものの前年同月比は10.9%減となった。絶対数でみれば首都圏の方が多いものの、近畿圏の増加率は注目にあたりするものであろう。近畿圏は昨年末からの好調さが続いており、即日完売物件も4件270戸と、新規販売物件も順調に売れている。一方の首都圏は、都区部・神奈川県の大幅に減少。即日完売物件も9物件158戸にとどまっている。

 契約率については、近畿圏が前年同月比9.0ポイント増、前月比2.2ポイント増の77.1%であったのに対し、首都圏は前年同月比1.1ポイント増、前月比7.2ポイント増の76.4%に。2011年に近畿圏の契約率が首都圏のそれを上回ったのは一度だけであったが、昨年の6月以降は逆転しており、近畿圏の方が首都圏を上回る月が多くなっている。

 その他、近畿圏の1戸当り価格は前年同月比で284万円(8.8%)増、m2単価も1.8万円(3.9%)増と、戸当り価格、m2単価共に2カ月連続で前年同月比増となっているが、首都圏では、m2単価は前年同月比0.5万円(0.8%)となったものの戸当り価格は186万円(4.2%)減となっている。

 なお、2013年3月の発売戸数に関しても、近畿圏は2700戸程度と予測されている。これは2012年3月の2316戸や2011年3月の1719戸だけでなく、過去5年でもっとも多くなる見込みである。しかし首都圏に関しては、3500戸の見込みとなっており、これは2012年3月の3462戸は上回るものの2011年3月の3685戸、2010年3月の3685戸と比べると少ない水準となっている。マンション市場の西高東低傾向はもう暫く続きそうである。(編集担当:井畑学)